2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児を持つ母親の就業継続過程における葛藤・ストレスモデルの構築
Project/Area Number |
16592145
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
坂間 伊津美 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助教授 (40285052)
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Keywords | 女性 / 育児 / 労働 / ストレス / 乳幼児 |
Research Abstract |
本研究の目的は、就労を継続しながら乳幼児を育てる母親の葛藤・ストレスを明らかにし、その要因も含めたモデルとして視覚化することである。本年度は、以下のとおり研究を実施した。 1.文献検討 女性、就労、育児等のキーワードを用いて検索した文献を検討し、仕事と家庭を両立する女性をめぐる現状を把握するとともに、インタビュー計画立案時の参考とした。 2.インタビューの実施 働きながら子育てをする母親の葛藤やストレスの経験を明らかにする目的で、就労を継続している母親5名に対して、半構成的インタビューを行った。対象者には、乳幼児を持つ母親だけでなく、後方視的に乳幼児期の育児を概観できるとの観点から、学童を持つ母親も含めた。インタビューに際しては、研究目的の他、倫理的配慮を明記した文書を用いて、対象者に調査概要を直接説明・依頼し、書面で協力の同意を得た。インタビューの主な内容は、「結婚前に考えていたライフコース」「退職を考えた経験や状況」「育児と仕事を両立してくる過程でストレスと感じた経験」「仕事を続けてきた・続けられた理由」「職場の状況」である。対象者の許可を得て録音したインタビュー内容は逐語録におこした上で、1つのまとまりをもった文章毎にコードを付し、それをカテゴリー化する手順で質的分析を行った。その結果、「急に仕事を休まなければならないことへの葛藤」「夫や周りの人と自分との認識のずれへの苛立ち」「自分の体調不良時や忙しさによるつらさ」「仕事を続けていけるかとの不安」「自分の持つ育児観との葛藤」「親や職場への気がね」が抽出された。現在、結婚・出産を機に仕事を退職あるいは中断した母親にも対象範囲を拡げながらインタビューを継続している。平成17年度は、インタビュー結果をもとに、就業継続過程における葛藤・ストレスモデル案を作成し、質問紙調査によりその妥当性を検証する計画である。
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