2005 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法を受ける患者家族の看護介入モデルの開発-対処過程に焦点をあてて-
Project/Area Number |
16592146
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
矢田 真美子 神戸大学, 医学部, 教授 (10239783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敦子 神戸大学, 医学部, 講師 (80294239)
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Keywords | 化学療法 / 外来 / 対処 / 家族 / 食事 / サポート |
Research Abstract |
本研究は外来がん化学療法が患者家族に及す影響と対処過程を明らかにし、それに基づき、外来化学療法を受ける患者家族の対処を支援する看護介入モデルを検討することを目的としている。 本年度は婦人科病棟に入院し術後がん化学療法(TJ療法:Taxol+CBDCA)を受けた成人女性患者22名(42〜78歳)を対象に、1.がん化学療法を受ける患者の消化器症状出現時の食事に関する対処および看護ニードとケアの現実・期待に関する面接調査 2.がん化学療法を受ける患者の家族によるサポートに関する面接調査を行なった。 その結果。以下の点が明らかとなった。1.食事に関する対処は、1)食べられるものを探す、2)食べることによる症状増悪を避ける、3)無理して食べる 4)病院食を加工したり変更して食べる、5)他の食品で補う、などに分類された。2.がん化学療法を受ける患者の家族によるサポートは、1)差し入れてくれる 2)家事をしてくれる 3)身の回りのことをしてくれる 4)一緒に食事をしてくれる 5)気分転換に連れだしてくれる 6)通院の送り迎えをしてくれる 7)聞いてくれ分ってくれる 9)傍にいてくれる 10)自分を必要としてくれる、に分類された。 また、本年度は外来化学療法室でがん化学療法(GEM療法他)を継続的に受ける消化器がん(膵臓がん・胆嚢がん・胆管がん他)の患者10名(男性7、女性3名)とその家族10名(妻7名、夫2名、娘1名)を対象に、3.外来がん化学療法が患者家族に及す影響と対処過程および看護ニードとケアの現実・期待に関する面接調査および参加観察を行なった。 3については、現在、データ収集を継続しており、質的データの分析も途中段階であるが、外来化学療法を受ける患者家族の対処について、1)平常な暮らしの維持 2)通院治療継続のための協力 3)治療効果への期待と不安のコントロール 4)患者の体調の変化に合わせた調整 5)共に過ごすための調整 6)家族間の情報の共有化 7)家族間相互の気づかい 8)患者と他の家族員へのケアのバランスの調整、などのカテゴリーが見いだされている。
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