2005 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患で早期に手術する乳児の父親の体験および家族支援に関する研究
Project/Area Number |
16592149
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
太田 にわ 岡山大学, 医学部, 教授 (00213736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 審一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294454)
小田 慈 岡山大学, 医学部, 教授 (50160875)
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Keywords | 先天性心疾患 / 早期手術 / 父親 / 体験 / 親子関係 / 育児 |
Research Abstract |
先天性心疾患の児をもつ親は子どもの状態や疾患をあまり理解できないで、また親自身も不安定な状況で子どもの早期手術に望むことがある。本研究は、親が子どもや手術に対してどのように思いや体験しているのかを明らかにすることを目的とし、育児の不安の軽減や親子関係の確立への支援を行うために行うものである。 16年度はまず、乳児期にある先天性心疾患で手術した児の父親に対しての調査方法・調査内容の検討をおこない、研究対象施設での調査の説明を行い了解を得た。調査方法は紙面での同意やカセットテープによる同意が得られたばあいのみ、外来の待合い時に診察や育児に支障がないよう配慮しインタビューを進めた。半構成面接法を用いてのインタビューによる調査内容は、(1)子どもの状態、(2)手術に対する気持ち(3)手術後のケアに当たって心配なこと(4)子どもに対するこれまでの父親の気持ち(5)子どもとの接触の程度(6)家庭生活の変化(7)配偶者の子どもへの反応や育児(8)周囲の援助などである。2005年2月からインタビューを開始し、今年度も引き続き20分程度のインタビューを5名の父親に行えた、直後、慎重に逐語録をおこしている。これらから、現時点でいえることは、父親は手術・通院などに経済的に家族を支えるために休むことが困難な仕事への葛藤と不安定な状況での手術やケアの情報を得るすべも少なく、その子その子により異なる現在・未来にも特殊な状況があるため、自分にあったサポートが得られにくいという不安感が見られた。この時期の父親への個別的なケアは医療者のみでなく、周囲や社会的な理解と支援体制が大切である。
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