2005 Fiscal Year Annual Research Report
胎児診断時のインフォームド・コンセントに対する妊婦・家族のニーズについての研究
Project/Area Number |
16592151
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 京子 山口大学, 医学部, 助教授 (10294662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 正人 山口大学, 医学部, 教授 (20136188)
辻野 久美子 山口大学, 医学部, 教授 (60269157)
飯野 英親 山口大学, 医学部附属病院, 副看護部長 (20284276)
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Keywords | 妊娠 / 出生前診断 / 羊水検査 / 超音波検査 / インフォームド・コンセント / 育児 |
Research Abstract |
出生前診断(羊水検査・超音波検査)に対する検査時のインフォームド・コンセントについて、および検査を受ける妊婦の看護について、妊婦と家族の意識、医療者から情報提供してほしい内容と時期などを明らかにする目的で、調査を行っている。 「先天異常のための出生前診断に対する生殖年齢の知識と態度」(英国、タイとの共同研究)について、日本における現状報告、打ち合わせのため国際遺伝看護学会(ISONG)に出席した。我々の自由記載により調査では53名の女性、37名の男性からアンケート調査の回答が得られた。出生前診断に対する知識では羊水検査(女性の41%、男性16.2%)、超音波検査(37.7%、27.0%)、染色体検査(3.8%、0%)、絨毛検査(3.8%、2.7%)、母体血清マーカーテスト(0%、2.7%)の順で、出生前診断に対する意識では羊水検査と超音波検査が多いことがわかった。次に、胎児に異常が疑われる場合、女性の37.7%、男性の64.9%が検査を受けたいと考えていた。また、胎児に異常があった場合、妊娠継続に影響するかどうかについては女性の37.8%、男性の40.5%が影響すると答え、「中絶を考える」、あるいは「中絶するかどうかを考える」と答えたものは女性の45.2%、男性の27%に認められた。 このような育児を取り巻く母親の心理として、現代の母親の育児ストレスの要因を分析した。子どもに関する育児ストレス要因には、『子どもの発達に対する懸念』『子どもに対するコントロール不可能感』などが挙げられた。乳児健診時の母親では、『子どもの発達に対する懸念』において育児ストレスは高くないが、「子どもの機嫌が悪いと困ってしまう」など、『子どもに対するコントロール不可能感』では育児ストレスが高いことがわかった。先天異常など子どもの成長発達に問題を生じやすい母親と家族をサポートしていくために、情報提供、心理的支援、社会的制度を充実させていくことが必要である。
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Research Products
(3 results)