2005 Fiscal Year Annual Research Report
産後うつ病の母親の産後1か月間の育児体験の質的分析
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16592202
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山川 裕子 佐賀大学, 医学部, 講師 (00259673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 雪子 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (30352321)
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Keywords | 産後うつ病 / 育児体験 / 母親 / 質的研究 / 産褥早期 / M-GTA / EPDS |
Research Abstract |
本研究目的は、産後の母親の退院後1か月間の育児を中心とした生活体験について明らかにすることである。対象者は、産後5日目と1か月時にEPDSを用いた精神状態の調査の結果、産後5日目には問題がなく、1か月時にEPDS9点以上でうつ状態と判断された母親。平成15年11月〜平成17年5月までの期間に、F市産科クリニックで出産した母親973名中、条件に合った母親は12名であった(出現率1.2%)。その内10名の母親に倫理的手続きを踏んだ上で半構成的面接をした。平均年齢31.2(24〜37)歳、初産婦7名。経産婦のうち2人目の出産2人、3人目1人であった。1名のみ帝王切開、他は自然分娩。重篤な産科合併症はなかった。児の異常もなく、全員1か月健診時に健康と判定された。面接の時期は産後1か月以降3か月以内であった。 産後1か月間の育児能力を獲得していく過程において、母親が抑うつ状態に至り自信を喪失していつた体験と思いについて、インタビューデータをM-GTA法で分析した。分析の結果、12個の概念が生成された。育児に関して、<柔軟性に欠ける育児><一人で背負う><赤ちゃんとの応答性><赤ちゃんが不憫><育児効力感の喪失><育児能力の獲得><理想の育児><育児の重みづけ>が抽出された。生活役割として、<新しい家族生活の調整不全><パワーレス><守ることの重責感><自分のテリトリーを守る>が抽出された。中心的カテゴリーは、<育児効力感の喪失>だと考えられ、産後の育児を主とした生活への適応過程で、母親自身他に助けを求めない傾向にあり、又、助けにならない夫や実母の実態も見られ、産後1か月間は孤立した育児生活を送ることで、<育児効力感の喪失>が抑うっに至る過程に影響していた。今後は、新たな概念の生成と既出概念間の関係性について分析を進めることで、母親の育児効力感の変化のプロセスについて全体図を描いていく。
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[Journal Article] 産褥メンタルヘルス継続ケアの取り組みに関する報告2005
Author(s)
井上尚美, 内川加代子, 酒井康子, 宮地シズ子, 堀井二三代, 津原冨久恵, 高柳典子, 平川万紀子, 真田九州男, 福澤雪子, 山川裕子
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Journal Title
第15回福岡母性衛生学会学術集会抄録集
Pages: 4