2004 Fiscal Year Annual Research Report
重度痴呆性高齢者とのコミュニケーション促進プログラム作成に向けての基礎研究
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16592215
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 光代 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20290223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 寧子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50150850)
木村 みさか 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90150573)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / コミュニケーション / 音声的特長 / 環境音 / 生体反応 / ケアスタッフ |
Research Abstract |
本研究の目的は、痴呆性高齢者とのコミュニケーション場面における声かけ「音声」の韻律的特長に焦点をあてコミュニケーションプログラムを作成するとともに、環境音の影響をあわせて検討することである。本研究は、本学の人間を対象とする倫理委員会にて承認を得、今年度は、コミュニケーションプログラム作成のための基礎研究として騒音調査と高齢者の反応・行動の関連および音楽の種類と収縮期血圧の関連について調査を実施した。 1.コミュニケーションプログラムの作成のための基礎研究 高齢者には、なじみある呼称、声かけの高さや抑揚に好みがあり、それらを配慮した声かけプランが高齢者の生活の質に影響する可能性を論文にまとめ、プログラムを検討中である。 2.療養環境音(騒音)と高齢者の反応・行動との関連 グループホームと介護老人福祉施設における24時間等価騒音レベルの平均は、順に昼間58dB、60dB、夜間50dB、50dBであった。80dB以上の突発音は移動を伴う食事や排泄誘導時間帯に集中していた。高齢者の行動観察と騒音レベルをあわせて評価すると、重度の者では騒音とは関係なく居眠りし、声かけにより一時的に覚醒していたが、中等度の者では、騒音の高まりとともに興奮し、テーブルをたたく、大声を出す等の反応が認められた。 3.音楽の種類と収縮期血圧の関連 平均年齢81歳の軽度から中等度痴呆性高齢者5名に、3種類の音楽を再生しながら、血圧測定、各曲の印象についてSD法で調査を実施した。血圧変動では、音楽介入・終了後で収縮期血圧に変動が認められ、心拍数は変化しなかった。SD法では、クラシックと唱歌で快、好きの得点が高くなり、収縮期血圧の変動との連動が示唆された。 平成17年度は、調査の補完をするとともに初年度の結果に基づき、具体的なコミュニケーションプログラムの作成、環境音への介入を実施し、評価をする予定である。
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Research Products
(1 results)