2005 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者家族に対する支援のアウトカム評価に関する研究
Project/Area Number |
16592226
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
北 素子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 助教授 (80349779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (00191883)
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Keywords | 在宅介護 / 高齢者 / 介護家族 / 尺度開発 / グラウンデッド・セオリー法 |
Research Abstract |
I.研究目的 要介護高齢者家族に対する支援のアウトカムを評価する指標開発のための基礎的研究として、要介護高齢者を在宅介護している家族の生活安定構造を質的帰納的に明らかにすることを目的とした。 II.研究方法 1.研究参加家族と情報提供者 要介護高齢者を在宅介護する合計18家族を研究参加家族とし、各参加家族の中で家族全体の状況が見渡せている成員1名以上を情報提供者とした。 2.データ収集および分析方法 平成16年5月下旬〜平成16年11月、平成17年9月〜平成18年2月までの約12ヶ月間に、各家族の情報提供者に対し、研究参加家族の自宅または医療機関にて1〜数回の半構成的面接を行った。また自宅で面接を行った5家族の家庭内での介護状況を参加観察した。得られたデータをグラウンデッド・セオリー法で定式化された方法に準じて分析した。 3.倫理的配慮 本研究は倫理委員会の承認を経て行った。家族には本研究の目的および方法について書面をもって説明するとともに、研究への参加は自由意志であること、得られた情報はすべて匿名として研究の目的以外には使用しないこと、研究に関する書類やテープ類は厳重に管理し研究後は消却処分すること、研究結果は情報提供者の希望により郵送にて開示することを保証した上で家族代表者と同意書を交わした。 III.結果考察 データ分析の結果、要介護高齢者を在宅介護している家族生活の安定は<家族内ニーズ競合の最小化>と<生活のルーチン化>という2つの軸を中心として構造化された。家族生活は<家族内ニーズの競合>が最も小さく、<生活のルーチン化>が最も進んだ状態が、最も安定した状態であった。家族生活の安定状態は、「高齢者の体調と身体機能の変化」と、その変化に伴って生じる「家族構成の変化」、「家族員の体調変化」、および「外部サービスの利用」を契機として不安定状態へと傾くが、家族の「リスク・マネジメント・パターンの取り込み」や「外部サービスの家族文化への統合化」、「家族役割分担の仕切り直し」により安定状態を回復することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)