2005 Fiscal Year Annual Research Report
外国人支援NPOによる多文化共生ネットワーク形成の国際比較
Project/Area Number |
16600003
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松田 陽子 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (80239045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野津 隆志 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (40218334)
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
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Keywords | 外国人 / NPO / オーストラリア / 多文化共生 / ネットワーク / ボランティア / ニューカマー |
Research Abstract |
1.神戸市長田区のNPO「たかとりコミュニティセンター」を定期的に訪問し、外国人支援に関わる下記の活動の詳細な調査を実施した。 ・ニューカマー児童生徒による自己表現のためのビデオ制作活動の調査 ・多言語情報提供のためのグループFACILのこれまでの活動の調査 ・NPO活動の中心となっている代表者・担当者に対する面接調査 ・ボランティアとして活動している人々に対する面接調査とPAC分析の実施 2.外国人支援NPOの活動と深く関わっている以下の行政担当者・学校関係者への面接調査を実施した。 ・兵庫県・神戸市教育委員会の国際理解・多文化共生に関わる指導主事等 ・兵庫県の国際政策課の職員 ・ニューカマーの子どもたちを受け入れている学校の担当教員等。 3.兵庫県の実施している「こども多文化共生サポーター制度」をめぐる問題点と協働体制の集中的調査を行った。 4.神戸市のニューカマー児童生徒に対する学習支援活動グループを立ち上げ、参与観察をしている。 5.オーストラリアの現地調査を実施し、シドニーにおける移民支援のさまざまなNPOの活動について聞き取り調査を行った。また、近年の政策的な変化についても情報収集を行い、日本での取り組み方や、昨年度実施したアメリカ調査との比較考察を行った。 これらの調査から、外国人支援NPOが行政や学校との効果的なネットワーク形成を行っていくうえでの阻害要因と推進要因をかなり抽出することができた。これら要因について、組織文化ギャップ、コミュニケーションギャップ、情報ギャップ、連携概念のギャップという4つの観点から分析を行っている。 また、オーストラリア調査では、NPOの組織化や行政との連携が非常に進んでおり、政府の施策の実践が、NPOに予算を分配することによって、ある程度実施権限がNPOに分与されていることが明らかとなった。そして、近年では、NPOの活動の効率化のため、予算の競争的配分というやり方が強まってきていることが明らかになった。
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