2004 Fiscal Year Annual Research Report
脱フロン冷蔵庫開発における戦略的架橋としての国際NGOの日欧比較
Project/Area Number |
16600007
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
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Keywords | コラボレーション / 戦略的架橋 / 共同開発 / 企業とNPO |
Research Abstract |
まず戦略的架橋としてのNPOあるいはNGOの役割を明確化するために、濃密なインタビュー調査をもとに企業とNPOのコラボレーションの事例を分析した。事例対象としたのは、松下冷機とグリーンピース・ジャパン、札幌通運と飛んでけ車いすの会、一ノ蔵と環境保全米ネットワーク、アジレント・テクノロジーと長池ネーチャーセンター、中電ビルとスキップ、子供環境活動支援協会(LEAF)や環境学習研究会などである。いずれの事例ともに、企業とNPOが生来的に異なる存在でありながら、それぞれ独自の能力やスキルを発揮しながらより広範な社会的価値の創造に向けて長期的に協働しているという点では類似している。さらに企業とNPOの協働過程において、相互に不足している機能を補完しあいながら、相互学習や相互信頼の範囲とレベルが進化していくといった傾向が見られるという点にも注目した。それぞれ社会的価値の創造の具体例としては、環境配慮型商品の共同開発、次世代の小中学校生徒にむけての環境学習や科学実験学習、開発途上国への車いすの提供、などである。その後、松下冷機における脱フロン冷蔵庫開発のプロセスと開発過程におけるグリーンピース・ジャパンの果たした役割や機能を明らかにするために、松下冷機とグリーンピース・ジャパンへの聞き取り調査を行った。さらに組織間関係論の媒介組織論や組織間協働過程論についての先行文献をフォローしながら、NPOの戦略的架橋機能とそのダイナミクスについての分析フレームを考察した。
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