2005 Fiscal Year Annual Research Report
脱フロン冷蔵庫開発における戦略的架橋としての国際NGOの日欧比較
Project/Area Number |
16600007
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
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Keywords | コラボレーション / 戦略的架橋 / 共同開発 / 企業とNPO / 戦略的協働 |
Research Abstract |
平成16年度に引き続いて、戦略的架橋としてのNPOあるいはNGOの役割を分類し分析するために、濃密な聞き取り調査を行った。事例対象にしたのは、ホンダと社会福祉法人太陽の家(ホンダ太陽)、地域NPOとリコー中部、青森NPOサポートセンター(ANPOS)と日専連青森、ピースウインズ・ジャパンと帝人テクノプロダクト、グリーンピース・ジャパンとアサヒビール、桐生地域情報ネットワーク(KAIN)とNTT、などである。いずれの事例も、企業がNPOに対して一方的に寄付や物品提供や人材派遣を行うような関係ではなく、企業とNPOが相互に独自の知識やスキルを提供しながら補完関係を創造してきた事例である。平成16年度に調査した事例と今回の事例をもとに、さまざまな社会的に価値のある製品やサービスを生み出す過程で企業とNPOがどのように関係を形成し、役割分担を行い、関係そのものを深めていったかを分析した。その結果、企業とNPOがますます戦略的協働(strategic partnership)とでもよぶべき関係に進化しつつあることが明らかになった。そして戦略的協働関係が企業とNPOにプラスの効果を生み出し続けるためには、企業とNPOが協働の内容を正当に評価し協働そのものを修正し変更することも視野に入れた緊張関係と信頼関係のバランスが必要であることが明らかになった。戦略的協働において、国際NGOを含むNPOが戦略的架橋としてどのような機能を果たしてきたかについては、個々のケースでかなり異なっており、いくつかの類型化が必要である。そこで戦略的架橋としてNPOが果たす機能役割を、受動的調整型、批判告発型、先取り提案型、相互調節型に区分し、企業との協働関係の進化とともにこの機能がどのように変化したかを分析した。
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