2004 Fiscal Year Annual Research Report
反キリスト教と新伝統としての国楽の創出過程に関する総合的研究
Project/Area Number |
16602006
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
安田 寛 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10182338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 康子 東京芸術大学, 音楽学部・楽理科, 助教授 (60202181)
HERMANN Gottschewsk 東京大学, 大学院・総合文化研究科・超域文化科学専攻, 助教授 (00376576)
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Keywords | 近代洋楽吏 / 国楽 / 唱歌 / 保育唱歌 / 宮内省楽部 / 皇典講究所 / 儀礼歌 / 雅楽録 |
Research Abstract |
唱歌の最初の作詞家加部巌夫と宮中の和歌派との関係を明らかにした。 唱歌を多く作詞した税所敦子の伝記を明らかにした。 明治期の宮内省楽部の活動内容を『雅楽録』等によって調査し、保育唱歌が発端になった「律施・呂施」の表示法が明治11年に試みられていたこと、また明治24、5年には海軍省・陸軍省からの依頼により雅楽家が儀礼歌の旋律を新作していたことなどを明らかにした。 さらに、戦前の宮内省楽部にかかわる史料を購入し、明治期から戦前までの活動を俯瞰するための準備をすすめた。 次年度は大正期・昭和戦前期を中心に調査を行なう予定である。 雅楽系唱歌(保育唱歌、皇典講究所唱歌)の歌詞における「かみ」という言葉の出現について調べ、そのキリスト教的背景及び神道的背景について調査した。 そこに、明治13年を境界線とする根本的な変化がおこったことが明らかになった。 その変化の意味についての考慮はこれからの課題である。 また、明治初期から日清戦争まで、中国由来の音楽(特にその時代で流行していた明清楽)の評価の変遷について調査した。 ドイツ音楽学会の国際学会(04年09月ワイマール)において、中国と日本の音楽における、グローバル化の中の文化的アイデンティティーの成立についてシンポジウムを開いた。
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