2006 Fiscal Year Annual Research Report
反キリスト教と新伝統としての国楽の創出過程に関する総合的研究
Project/Area Number |
16602006
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
安田 寛 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10182338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 康子 東京芸術大学, 音楽学部・楽理科, 助教授 (60202181)
HERMANN Gottschewski 東京大学, 大学院・総合文化研究科超域文化科学専攻, 助教授 (00376576)
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Keywords | 近代洋楽史 / 国楽 / 唱歌 / 神教歌 / 宮内省楽部 / 皇典講究所 / 権田直助 / 御歌所 |
Research Abstract |
2006年9月28日、安田、塚原、ゴチェフスキ3名は、大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市大山355)を訪問。明治初期の神道系音楽教育活動(特に明治14年出版、阿夫利神社権大教正権田直助編述『神教歌譜』)について現地資料調査を行い、現在の目黒宮司に、1.大山阿夫利神社、2.権田直助、3.神教歌(しんきょうか)についてインタビューを行った。 その中でも、権田直助の創案になり、皇典講究所の唱歌に影響を与えた神教歌は現在も歌い継がれている。権田直助の命日(6月8日)に合わせて、毎月8日に神教歌の講習会を開いている。婦人会の30名ほどが参加している、という事実を知ったことは貴重であった。 2008年11月8日、ゴチェフスキ・塚原をふくむ4名で伊勢原市の大山阿夫利神社社務所を訪れ、同地の大山敬神婦人会による月例の神教歌稽古会(約30分)を見学し、ビデオ撮影・録音を行った。また、稽古会終了後に会員にインタビューを行い、神教歌の歌唱にかかわる慣行とその現在までの変化、稽古会の実施方法、婦人会の中の役割分担、楽器の使用などについて理解を深めた。練習と歌のビデオは後の研究の重要な材料となった(より詳しい内容は報告書のGottschewski論文を参照)。 ニューヨーク・パブリック・ライブラリー及びワシントンの議会図書館で「バイエル教則本」のアメリカでの最初の出版されたものやそれ以降の版を収集、その他の関連資料を収集し、音楽取調掛に「バイエル教則本」が導入された経緯につながるアメリカでのバイエル教則本の受容史ついて新しい事実を解明した。それによって日本へのピアノ文化導入といわゆる「国楽創成」との関連について考える新たな材料を得た。
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Research Products
(7 results)