2006 Fiscal Year Annual Research Report
チベット仏画工房村の伝統技材用法と伝統の継承に関する調査研究
Project/Area Number |
16602013
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
服部 等作 広島市立大学, 芸術学部, 教授 (50218509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
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Keywords | チベット / 仏画 / 表象芸術 / 熱貢芸術 / 伝統技法 / 仏教美術 / 造形と表現 |
Research Abstract |
本研究の目的と概要実績: 本研究の目的は、チベット文化圏の密教仏画(タンカ)制作の伝統について中国側と共同での調査研究にある。 調査背景にある中国の急激な経済発展により伝統の文化の変貌が余儀なくされている状況に対し、本研究計画は、仏画芸術の文化が伝統的に残る中心地青海省黄南藏族自治州同仁県(旧・熱貢(レブコン)地方)に焦点をあて、当地で継承されてきた伝統的な仏画文化の調査をすすめる点にある。調査項目は、(1)青海省黄南藏族自治州同仁県の年都乎寺(ニェンドウフ)、〓寳日(ガサイリー)、郭麻日(クオマリー)、吾屯村上・下寺(ウートンシャン・シャ)、の五地区に点在する寺院仏画壁画、仏画(タンカ)芸術の図像である。当地の調査が資する内容は、芸術・文化の伝統にあり、1302年に仏教僧のナンソ・サムテンリンチェンが当地の寺院創建に各地から芸術集団(画家、彫刻家、工芸家、建築家)に参加要請して以降、芸術家達が定住し、寺院壁画、仏画、金属工芸品の制作が絶えることなくチベット仏教芸術の一大創作・生産地となり、同時に芸術集団による、チベット仏画の制作と文化集積地として今日に至っている伝統が重要視できる。 ■本年度(〜平成19年3月31日)の研究実施内容: 本年度の研究は、上記の青海省黄南藏族自治州同仁県、吾屯村に息づく芸術文化について日本、中国、ならびに韓国の研究者と共同調査、研究の目的に沿う現地の技材(技術と材料)を応用する表象芸術の実態記録、およびその実際の調査の成果内容に絞って記録資料の作成をすすめた。 研究代表者・服部は、1)研究協力者と共に仏画芸術について現地調査と研究交流を具体化した。つぎに2)奥山が密教文化史の立場に立ちタンカ芸術について、密教芸術の立場で研究を進め、研究背景となる歴史解明をすすめた。さらに3)熱貢の仏画とその表象芸術について調査をまとめる研究を実施した。
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Research Products
(3 results)