2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業の資金調達手段の決定要因に関する研究‐リスク最適化戦略とコーポレート・ガバナンス問題‐
Project/Area Number |
16603005
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
来栖 正利 流通科学大学, 商学部, 助教授 (80268573)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス問題 / 行動エイジェンシー理論 / 経営者の損失回避行動 |
Research Abstract |
エイジェンシー理論が仮定するエイジェントのリスクに対する姿勢は会計現象を適切に説明する制約条件の一つになっている。本稿はエイジェントが損失回避行動を選好するという点を新たに主張する。この含意を活用することによって、日本企業の財務会計行動をより適切に説明する仮説をより適切に導出することができるであろう。 本稿の問題意識は次の通りである。企業および/または経営者が開示情報の量および質を操作しているという「現実」をエイジェンシー理論が適切に説明することが困難なままである。この説明を困難にしている理由の一つはエイジェントがリスク嫌悪およびリスク選好であるという仮説に起因する。 日本企業の経営者の財務会計行動をより適切に説明する可能性を提示するさい、エイジェント(経営者)のリスクに対する姿勢に着目した行動エイジェンシー理論の含意に依拠する[Wiseman and Gomez-Mejia(1998)]。これによって、日本企業の経営者が「現状維持」を選好する理由を、実証分析を通じて、説明できる仮説構築に資する機会を提供することができるであろう。加えて、日本企業の経営者の賞与が、基本的に、業績の増減とは無関連に決定されている理由を追究するヒントを提供できるであろう。 上述の課題を、既存の実証研究、理論研究、およびレビュー論文を含む先行研究のサーベーを通じて、解決する。この方法論は日本企業の経営者の財務会計行動を説明する仮説を導出し、実証分析を行なうさ多くの示唆を提供する。というのは、特に、先行研究の一つであるレビュー論文を検討したさい、著者の「視点」に着目して本稿をまとめたからである。 <引用文献> Wiseman, Robert M. and Luis R.Gomez-Mejia, 1998, A Behavioral Agency Model of Managerial Risk Taking, Academy of Management Review 23, pp.133-153.
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Research Products
(1 results)