2005 Fiscal Year Annual Research Report
イソフラボンの摂取による女性ホルモン様物質の胎児移行とその影響に関する研究
Project/Area Number |
16613001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
戸高 恵美子 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (30334212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千里 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90174375)
長田 久夫 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (30233505)
深田 秀樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教授 (00359598)
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Keywords | 食品 / 植物エストロゲン / 大豆イソフラボン |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、対象者を増やして千葉大学医学部付属病院にて帝王切開で出産した母児71組を対象に出産時の母親と、臍帯中の血中イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、イクオール)を測定した。胎児のイソフラボン暴露を知るために、臍帯血中の濃度を測定した。母親の平均年齢は32.3歳だった。母親には研究の趣旨を説明し、書面にてインフォームドコンセントを得ている。 その結果、母体血中のゲニステイン、ダイゼイン、イクオールの平均濃度はそれぞれ9.8、2.6、1.9(ng/ml)であったのに対して、臍帯血中の濃度はそれぞれ24.6、5.5、0.8(ng/ml)であった。すなわち、ゲニステイン、ダイゼインについては母体血中よりも臍帯血中で濃度が高かったのに対して、イクオールについては母体血中よりも臍帯血中で濃度が低かった。イクオールはダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生成される物質であり、イソフラボン類を摂取して6〜12時間程度かけて生成されると報告されている。上記の結果は、ゲニステインとダイゼインについては母体が摂取したイソフラボン類は速やかに胎児に移行するが、イクオールについては母体の腸内細菌によって生成されその後胎児に移行するので、時間差があるものと推測された。また、上記の結果から、イソフラボン類は母体中では速やかに代謝されるが、胎児中では代謝機能が未熟なため代謝に長時間かかることも推測された。イソフラボン中、イクオールはその親物質であるダイゼインの数倍女性ホルモン様作用が強いと報告されており、母親がイクオール生成者であった場合、胎児がより強い女性ホルモン作用物質にさらされるということが推測される。 今年度はさらに、成人25名を対象に、豆乳を摂取して12時間後の血中イソフラボン濃度を測定し、さらに大便の提供を受けてイクオール生成者と非生成者とで腸内細菌叢がどう違うかを見た。
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Research Products
(6 results)