2004 Fiscal Year Annual Research Report
単クローン抗体を用いた細菌性およびウイルス性食中毒の迅速簡便な鑑別診断法の開発
Project/Area Number |
16613009
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
北元 憲利 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (70145928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 啓介 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80197673)
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (30305693)
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Keywords | 単クローン抗体 / 食中毒 / 鑑別診断 / ノロウイルス / 腸管出血性大腸菌 / サルモネラ / イムノクロマト法 / ELISA法 |
Research Abstract |
食中毒を起こす細菌やウイルスを早期に(短時間で)、簡単に(検体を加えるだけで)しかも多検体検出・鑑別診断できることが、食の安全確保において、また予防・治療を行う上で重要である。この目的のために、種々の細菌およびウイルスに対する単クローン抗体を作製し、その抗体を利用してイムノクロマト法による迅速・簡便診断法の開発を試みている。 1、ベロ毒素に対する抗体の作製 ベロ毒素(VT1=分子量70Kda、およびVT2=分子量46Kda)に対する2種の抗体を得ることができた。今後、さらに抗原的解析を行い、実用化の可能性を試みたい。 2、ノロウイルスに対する抗体の作製 すでにキット化されている方法に改良を加え、さらに特異性および感度をあげる試みを行った。現在までに、ノロウイルスの株間に幅広く交叉性を示す抗体をいくつか得ることができ、今後、実用化への試みを行う。 3、イムノクロマト法の実用化 イムノクロマト法の方法・技術を確立するために、すでに得られている抗体(抗牛痘ウイルス抗体)をモデルとして用いたところ、応用可能なことが示された。この方法を食中毒微生物の検出・診断法に応用する予定である。 4、病原性大腸菌およびサルモネラ菌に対する抗体の作製 病原性大腸菌およびサルモネラ菌に対する抗体の作製を試み、いくつかの抗体を得ることができた。しかし、これらの抗体は抗原的解析には役立つと思われるが、診断の実用化には至らない抗体であった。 5、免疫源の検討 現在、病原性大腸菌、サルモネラ菌およびブドウ球菌に対するよりよい抗体を作製するため免疫源の検討を行っている。 引き続き抗体の作製を試み、体系化された食中毒の鑑別診断法の確立に努めたい。
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Research Products
(3 results)