2004 Fiscal Year Annual Research Report
スクレーピーマウス・BSE血清・尿中逸脱蛋白質の網羅的解析と早期診断への応用
Project/Area Number |
16613010
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
横田 博 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90137414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂浦 克美 東北大学, 医学部, 教授 (00263012)
森 清一 北海道立畜産試験場, 畜産工学部長
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Keywords | BSE / 血液診断 / タンパク質 / 尿 / スクレーピー |
Research Abstract |
本研究は、北海道立畜産試験場に飼育されているBSE疑似患畜牛の血液・尿を用いて同様の解析を行い、BSE感染後、血清や尿検査による早期診断に応用する事である。現在、スクレーピーマウスの血清から特異蛋白質のスポットを一つ既に検出できている。異常プリオン以外も含めた血液・尿蛋白質を網羅的に解析し、脳神経への異常プリオン感染信号を総合的に検出するものであり、安全な早期診断法を開発できる所にある。<検出の可能性>スクレーピーマウスにおいて、異常プリオンが感染した時、アルツハイマー病で見られる様に、神経細胞内でプリオン凝集に対するリソソーム動員による分解反応などの防御反応がある事が知られている。また、スクレーピーマウスの脳組織でアポトーシスが生じ関連蛋白質が検出されている。本研究は、その防御反応の結果として、血液や尿中に逸脱してくるプロテアーゼや抗体などの各種蛋白質を2次元電気泳動で網羅的に分離検出し、かつマススペクトルにより高感度に分析するものである。これまでは、血液や尿中にある微量蛋白質は多量に存在する主蛋白質に妨害され、分離検出できなかった。しかし、最近、高分離能を持つ二次元電気泳動法が開発され、網羅的に検出できるようになった。さらに蛋白質の高感度解析・同定を可能にしたマススペクトル法を用いてアミノ酸配列を明らかにし、データーベース検索により蛋白質を同定する事が出来るようになった。さらに最近、脳神経組織疾患で逸脱した蛋白質や抗体が血液脳関門を越えて末梢血で検出される報告もある。<結果>スクレーピーマウス脳神経細胞から血液や尿中に逸脱した蛋白質を上記高分離分解法によって検出できる可能性が高い。事実、われわれの予備的実験結果では、スクレーピーマウスの血清中に特異蛋白質のかすかなスポットをすでに確認している。
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