2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16615003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕子 同志社大学, 社会学部, 助教授 (80278457)
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー型認知 / 認知機能 / 日常生活動作 / 精神症状 / 介護負担感 |
Research Abstract |
今回の研究では初期の認知症患者の生活の質が縦断的にどのように経過するか調査し、有効な支援を行う方法を模索したいと考えた。2年間の研究で行ったこととその成果を以下に記載する。 1)当科もの忘れ外来ではアルツハイマー型認知症患者を対象に初診時、6ヶ月後、1年後、2年後と認知機能検査を行っており、治療薬である塩酸ドネペジル服用患者の場合、MMSEの値の変化は服用前22.9±4,2、服用6ヶ月後22.7±3.9、1年後21.6±4.2、2年後19.7±5.3という結果であった。MMSEが3点以上6点未満の悪化を悪化群、6点以上の悪化を高度悪化群とすると2年後には悪化群25.4%、高度悪化群22.4%で約半数が悪化していたが、不変・改善群も半数以上見られた。更に、服用開始前の認知機能検査結果の特徴から2年後の悪化を予測できるか検討を行ったところ、服用開始前に実行機能の検査にあたる積み木テストやTrail Making Testで高得点の患者は、認知機能の全般的な指標であるMMSEが有意に維持されることが明らかとなった。これらの結果から、診断した時点で、塩酸ドネペジルで治療を行った場合、どのように認知機能が推移するか、また、治療開始前の認知機能がどのような状態にある患者の認知機能が維持されやすいか推定できることを示せた。 2)介護負担感、日常生活動作、精神症状および認知機能の調査結果を集計・解析し、その因果関係を明らかにし、論文発表を行った。この結果をもとに効率的な患者評価・支援のあり方を検討している。 3)昨年度に引き続き在宅療養認知症患者の日常生活動作を基本的ADL、手段的ADL、趣味などの高次ADLにわけて家族介護者がそれらのADLについて、どのような介護・支援を行っているか聞き取りを行い調査を終了した。現在、その結果を集計し、家族の援助について解析・考察中である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Usefulness of measuring serum markers in addition to comprehensive geriatric assessment for cognitive impairment and depressive mood in the elderly.
Author(s)
Arai H, Takechi H, Wada T, Ishine M, Wakatsuki Y, Horiuchi H, Murayama T, Yokode M, Tanaka M, Kita T, Matsubayashi K, Kume N
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Journal Title
Geriat Gerontol Int (in press)
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[Journal Article] Comprehensive geriatric assessment for outpatients is important for the detection of functional disabilities and depressive symptoms associated with sensory impairment as well as for the screening of cognitive impairment.
Author(s)
Sumi E, Takechi H, Wada T, Ishine M, Wakatsuki Y, Murayama T, Yokode M, Tanaka M, Kita T, Matsubayashi K, Arai H
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Journal Title
Geriat Gerontol Int (in press)