2004 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイドネットワークによるアレルギー性喘息応答制御の基礎的研究
Project/Area Number |
16616007
|
Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大野 勲 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00250762)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
佐藤 直子 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (20364408)
曽良 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40322713)
田村 弦 東北大学, 病院・感染症呼吸器内科, 講師 (70188431)
|
Keywords | アレルギー / 気管支喘息 / ストレス / オピオイド / オピオイド受容体 / μ受容体 |
Research Abstract |
1.ストレス非負荷でのアレルギー性気道反応におけるμ受容体の関与 (1)C57BL/6(雄性)を感作し、抗原吸入と同時にオピオイド受容体拮抗薬(ナロキソン)およびμ受容体拮抗薬(β-FNA)を投与するも、肺洗浄液中の炎症細胞数および分画には変化はみられなかった。 (2)μ受容体欠損マウス(C57BL/6、雌性)を感作し抗原吸入後の肺洗浄液中の炎症細胞数および分画を野生型と比較するも、有意な差は認められなかった。 以上より、ストレス負荷のない状態ではアレルギー性気道炎症の発症にはμ受容体は関与しない事が想定された。 2.ストレス負荷でのアレルギー性気道反応 (1)C57BL/6(雄性)を感作し、抗原吸入前(2回)あるいは抗原吸入の前(5回)後(2回)に拘束ストレス(6時間チューブ内拘束)を負荷するも肺洗浄液中の炎症細胞数および分画には変化は認められなかった (2)拘束ストレスを負荷しながら抗原吸入を行うと、非負荷に比べ肺洗浄液中の炎症細胞数および分画が改善することが、C57BL/6(雌性)およびBalb/C(雌性)で認められた。また、この改善はμ受容体欠損C57BL/6(雌性)でも観察された。 (3)拘束ストレスを負荷しながらの抗原吸入を繰り返す(週1回、計4回)ことにより、負荷なしに比べ肺洗浄液中の炎症細胞数および分画が悪化することがBalb/C(雌性)で観察された。しかし、この悪化はC57BL/6(雌性)ではみられなかった。 以上より、ストレスは抗原曝露と同時負荷によりアレルギー性気道炎症を修飾する事、同じストレス負荷でも急性ストレスと慢性ストレスではアレルギー性気道炎症に対する影響が異なる事、急性ストレスによるアレルギー性気道炎症の改善にはμ受容体の関与は大きくないであろう事、慢性ストレスによるアレルギー性気道炎症の悪化には遺伝的背景が関わる事が示唆された。
|
Research Products
(3 results)