2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内Th2細胞の同定とその分化・機能を制御する補助シグナル分子の解明
Project/Area Number |
16616008
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 講師 (60338316)
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Keywords | T細胞分化 / ICOS / B7RP-1 / Tim / Tim ligand / モノクローナル抗体 / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
1.ICOSもしくはB7RP-1を欠損したマウスでは、T細胞依存性抗原である羊赤血球の免疫に対して胚中心(GC)が正常に形成されず、血清中IgG量も低い。従って、ICOS/B7RP-1はCD4 T細胞-B細胞相互作用に働き、GC形成、抗体産生を制御しているのではないかと思われる。本研究は、ICOSのシグナルがCXCR5^+濾胞BヘルパーT細胞(T_<FH>細胞)の誘導に関わっているのではないかと仮説を立てた。これまでにCD4 T細胞上のCXCR5の発現調節に関わる分子として、TNFレセプターファミリーに属するOX40が報告されている。従って、GC形成とCXCR5^+ T_<FH>細胞誘導におけるICOS/B7RP-1とOX40/OX40Lの役割について比較検討を行った。結果、脾臓におけるPNA^+ B220^+ GC B細胞とCXCR5^+ T_<FH>細胞の誘導は、OX40/OX40LよりICOS/B7RP-1によって制御されていることを示し、ICOSによるCXCR5^+ T_<FH>細胞誘導調節はT- B細胞相互作用を介することを明らかにした。ICOS/B7RP-1は脾臓、リンパ節ともにCXCR5^+ T_<FH>細胞の誘導に重要な働きをもつが、OX40/OX40Lもまた限られたマウス系統のリンパ節においてPNA^+ B220^+ GC B細胞とCXCR5^+ T_<FH>細胞誘導に関与することも示した。 2.ICOSはまたNKT細胞の機能調節に関わる分子であることを明らかにした。 3.近年、喘息発症に関わる分子として同定されたTim-1に対するモノクローナル抗体をOVA吸入マウス喘息モデル系に投与した結果、気管支肺胞洗浄液中のTh2タイプサイトカインの上昇、好酸球浸潤の増加、およびOVA特異的血清中IgG, IgEの上昇が認められた。この抗体投与による効果がTim-1とそのリガンドとの結合を阻害した結果もたらされた現象か、Tim-1からシグナルを導入した結果もたらされた現象なのか明らかにするべくさらに解析を行っている。
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Research Products
(8 results)