2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16634006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金道 浩一 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (20205058)
小林 典男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40111306)
太田 仁 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)
杉山 清寛 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00187676)
木戸 義勇 独立行政法人, 物質・材料研究機構・強磁場センター, センター長 (10013541)
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Keywords | 超強磁場 / スピン科学 / 基盤計測技術 / X線 / 中性子線 |
Research Abstract |
本調査研究では、100テスラ領域の強磁場スピン科学を課題に、日本の強磁場科学およびこれを基盤とした物性研究の将来戦略のための議論を行い、研究報告として取り纏めた。将来戦略の構築のために、少人数からなるミニ研究会を開催し、強磁場研究の専門家と関連する分野の第一線の研究者が十分な議論を行いながら、研究課題、研究戦略、諸外国での動向、実現のための方途などを詳細に検討した。具体的には、(1)X線散乱-中性子散乱実験、(2)NMR、ラマン散乱、テラヘルツESR、(3)ナノ量子磁性とスピントロニクス、(4)強相関と超伝導。ミクロプローブの4つの研究会を行った。 また100テスラスピン科学の基盤となる100テスラ磁場の生成に関して、関係者による突っ込んだ議論を行い、フライホイール発電機とコンデンサを組み合わせることで100テスラの非破壊磁場を発生することが現時点で非常に有望であることを明らかにした。 さらに、広い視野から強磁場研究の現状に関して交流および意見交換を行う研究会を平成17年1月に物性研究所で開催し、調査研究班員の枠を大きく越えた100名以上の参加で、日本における強磁場研究の現状を総括すると共に、100T領域の強磁場研究を推進するための方策、科学的課題の検討と選定、行うべき計測手法の戦略的検討、将来構想実現のための国内の研究組織の形成、国際競争のための戦略と国際協力のあり方などに関して多角的な議論を行った。 今回の調査研究の結果、100テスラ領域におけるスピン科学を日本が世界に先駆けて推進することが基盤的物質科学における我が国の優位性を確保する上で重要であり、また日本の強磁場関連研究資産と人的資産が、このような展開を行う十分なポテンシャルを有していることが明らかになった。
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