2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝、文化と気分・不安障害の疫学-日本・ブラジル国際共同研究企画調査
Project/Area Number |
16639006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川上 憲人 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90177650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00183731)
岩田 昇 広島国際大学, 人間環境学部, 教授 (80203389)
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Keywords | 精神保健疫学 / 国際比較 / 面接調査 / 診断分類 / 文化適応 |
Research Abstract |
遺伝、文化と気分・不安障害の疫学-日本・ブラジル国際共同研究企画調査の検討を進めるため、まずこれまでの精神障害の有病率に関する移民研究の文献レビュー、在日ブラジル人に関するこれまでの調査結果(報告書など論文化されていない情報を含む)の収集と整理を行った。また日本、ブラジルそれぞれの国における日系ブラジル人コミュニティの代表者あるいはメンバーにヒアリングを行い、研究の実施可能性を打診した。平成16年10月には、ブラジルからサンパウロ大学精神医学研究所Laura Andrade博士、サンタカサ医科大学精神医学教室Maria Carmen Viana博士、米国ハーバード大学医学部からJoshua Breslau博士を招聘して、世界社会精神医学会(神戸)のシンポジウムにて各国の精神保健調査の成果を報告するとともに、岡山大学にて研究打ち合わせ会議を開催した。この研究打ち合わせでは、調査対象および調査方法論の討議と文化への順応過程の評価方法について討議を進めた。特に症状チェックリストでは精神的問題の国どうしの差が小さいのに比べ、面接調査では精神障害の有病率の国どうしの差が大きいことから、調査方法論によって差異が影響を受けている可能性が大きなテーマとなった。また研究者グループで日本国内の日系ブラジル人コミュニティを訪問し、ヒアリングを行った。その後電子メールなどによる研究者間の討議を経て、これまでの検討結果を整理し研究計画の最終案を作成した。ブラジルでは世界精神保健調査のプロとコールに従ってブラジルの国内調査が現在開始されており、これと日本での同様の方法による調査結果の比較を第1ステップとして、さらに本共同研究を展開する予定である。
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