2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜癌とその境界病変の病理組織学的診断基準のグローバル化策定
Project/Area Number |
16639018
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
小宮山 一雄 日本大学, 歯学部, 助教授 (00120452)
田中 陽一 東京歯科大学, 市川総合病院, 助教授 (30085831)
出雲 俊之 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (80322709)
高田 隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10154783)
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Keywords | 異型上皮 / 上皮内癌 / 扁平上皮癌 / 口腔粘膜上皮 / 口腔粘膜癌 / 境界病変 / 病理組織学的診断基準 / 科学的判定根拠 |
Research Abstract |
1.研究分担者会議:2004年6月11日札幌市において第1回目の研究分担者会議を開催し、研究計画を確認した。その後は関連学会開催時等の機会に会議をひらいた。 2.症例の収集と回覧:各研究分担者に口腔粘膜の異型上皮・上皮内癌等の境界病変症例を抽出することを依頼し、そのHE染色標本を相互にレビューするために、研究分担者ならびに海外協力者に配布した。 3.回覧症例の診断:第2項の回覧資料を個別に診断し、その結果を集計し、2004年9月25日広島市において研究分担者会議を開催し、その診断の異同を検討し、共通の診断を検討し、以下の診断基準策定の基礎資料とした。 4.国際シンポジウムの企画と実施:2004年8月5日第15回日本口腔病理学会の会期内に東京都で上記診断基準に関するシンポジウムを企画し、国内外からのシンポジストを招聘して実施し、食道、子宮頸部の境界病変との類似点と相違点を対比から、口腔粘膜境界病変の特異性を明瞭に認識することができた。 5.診断基準の骨子作製:以上の経緯を背景に研究代表者は病理組織診断の基準を作成し、研究分担者ならびに協力者に配布した。口腔粘膜上皮において傍基底細胞(基底細胞様細胞)を増殖中心として、それらの異常増殖を真の異型上皮として把握し、二層性表現の認識を強調した。増殖異型上皮細胞に角化傾向と基底細胞分化が生じることを上皮内癌への発育とみなし、それらの思考過程を説明する科学的根拠を付して診断基準の骨子とした。 6.診断基準案の提案:前項までの診断骨子は研究分担者および協力者にフィードバックされ、2005年3月5日に最終打ち合わせ会議を開催し、標本所見を討論しながら骨子を加筆訂正した。 7.新診断基準の提案:上記ステップを経て作成した診断基準提案書は、来年度には日本国内では日本口腔病理学会および日本病理学会にその経過と基準案の解説をおこない、さらに国際的会議にも提案して、国際的に通用しうる診断基準と展開できることが期待される。
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Research Products
(3 results)