2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報流通におけるアクセス制御ルールを考慮したXML文書の変換
Project/Area Number |
16650018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井原 瑞穂 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (40253538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 裕介 京都大学, 情報学研究科, 助手 (70303881)
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Keywords | XML / アクセス制御 / セキュリティ / アルゴリズム / 最適化 / 情報保護 / データベース / 情報流通 |
Research Abstract |
XML文書はインターネットでの情報流通における共通言語として定着しつつある.行政機関や医療機関,民間企業などの組織間の情報流通において,個人情報保護などのため,アクセス権を持つ人が,許可された部分のみの読み書きを許されるという,XML文書のアクセス制御が極めて重要である.XML文書のアクセス制御の特徴として,XML文書の木構造に対応し,部分木の細かい単位でのアクセス制御ルールを設定するという細粒度制御が重視される. XML文書による情報流通の特色として,多数の組織間で流通が行われるが,個々の組織間では異なるXML文書のアクセス制御ルールを採用していることである.地方公共団体や医療機関や民間企業では,組織ごとに異なる個人情報保護ポリシーを採用しているのが現実であり,また今後は個人が自己の情報に関するポリシーを定義することが重視される. 本年度は,XML文書の流通における以下のアクセス制御ルール技術を開発した. 複数の機関からのXML文書を収集して統合した場合のアクセス制御ルールの統合について,アクセス制御ルールを簡略化し,アクセス可否の判断を効率化するという問題について,従来の我々の結果を拡張し,さらに圧縮効率を高めた.具体的には,XML文書から構造概要と呼ばれる文書の骨格に相当する情報を抽出し,構造概要に沿ってXML文書に設定されているアクセス可否の情報の集計を行なう.そして,構造概要の各部分構造において,アクセス可否のうちどちらが多いかを調べる.そして多い方を構造概要に書き込むようにする.少数派の方はこれまでに提案した圧縮手法を拡張して適用する.この手法により,ある部分構造について多数派の可否情報,つまり同じパスを持つ文書の部分の大多数がアクセス可あるいはアクセス不可のとき,その可否情報を構造概要で表現し,残りの可否情報は圧縮されることになる.構造概要は,文書本体よりもサイズは非常に小さい.本手法により,特に大多数はアクセス可で部分的にアクセス不可となっている文書のアクセス制御ルールを大幅に圧縮できることを実験で確かめた.
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