2004 Fiscal Year Annual Research Report
好意・感情を持つエージェント系の構築と人工社会の形成
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16650041
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
成瀬 継太郎 会津大学, コンピュータ理工学部, 講師 (10301938)
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Keywords | 感情・情動 / 感性工学 / ペットロボット / 印象解析 / マルチエージェントシステム / ニッチ形成 / 集団制御 / 探索 |
Research Abstract |
本研究課題は,人間の感情による相互作用の理解と,それをモデル化しエージェント系を構築するという2つの課題を含む.本年度はそれぞれに対して以下の結果を得た. (1)感情の表現方法 感情は非言語的なコミュニケーション手段の一つであり,一つ一つの感情表出には意味がある.しかし,感情の意味を表現しようとすると,非言語的なものを言語により表現しなければならず,それは未だに困難な問題である. 本年度は,感情の表現方法を確立するための基礎として,ペットロボットの頭部の動作をパラメータ化し,各動作が与える印象を言語による表現(印象を表す形容詞群から選択)と非言語による表現(ある感情を表現した顔写真群から選択)の両者を同時に行い,それらの関係性について解析を行った. その結果,言語表現と非言語表現の両者を同時に用いることにより,印象の表現そのものとその信頼性の両者が同時に得られることを明らかにした. (2)社会性を持ったエージェント系の構築 感情は集団形成にも影響を及ぼすことが知られている.ここでは,感情の動力学を模したエージェント系を構築し,その集団形成の性質について議論を行った.具体的には,各エージェントは,感情の相互作用の結果として空間内を移動するものとし,さらにエージェント群を複数のグループを導入しグループ内とグループ間の2種類の相互作用を行うものとした. 結果として,予め定められたエージェント間の感情と空間の景観に応じて,空間内で自己組織的に集団形成を行うことが明らかになった(ニッチ形成能力).この特性は,探索問題への応用が可能であり,実際にネットワーク空間における資源探索問題への適用を行った.その結果,少数のエージェントでありながら効率的な探索が可能となることを明らかにした.
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Research Products
(5 results)