2005 Fiscal Year Annual Research Report
仮想空間を利用したコミュニケーション・システムの認知的評価と応用
Project/Area Number |
16650055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 孝 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70195444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
子安 増生 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70115658)
美濃 導彦 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (70166099)
角所 考 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (50263322)
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Keywords | 仮想空間 / コミュニケーション / アバター / 会話エージェント / ガン患者 / マルチメディア教材 / インターフェース / 経済学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ネットワーク上の3次元仮想空間を利用したコミュニケーション・システムを開発し,そのユーザビリティならびにコミュニケーション過程の認知的評価を行うとともに,がん患者のサポート場面と初心者の学習場面での実証的研究を進めることである。本年度の成果は以下の2つに大きく分かれる。第一に,ネットワーク上の3次元仮想空間において,複数のがん患者が自宅からアバター(avatar;仮想人物)でテキストチャットをするシステムに,新たな機能を付加した。これは,チャットを始める前と後に,気分など(6項目:元気,楽しい,悩んでいるなど)などの自己評価(10点尺度)をオンラインで入力する機能である。そして,がん患者グループ(6人)におけるチャットを毎週1回ずつ継続的に測定し,チャットログと気分の変化を分析した。第二に,経済学習のための初心者向けの学習システムにおいて,3次元のメニュー表示,キャラクター,映像,音声が,大学生と専門家デザイナー(各30人)のユーザビリティ評価や理解度,興味に及ぼす効果を実験的に検討した。あわせて,操作ログも計測した。その結果,学習の事前-事後では,経済に関する概念(キャピタルゲインなど)の知識が増加し,経済リスクに対する態度がリスクを取る方向に変化した。また,知識を深めたいなどの学習意欲が向上した。一方,インターフェース評価に関しては,大学生群,デザイナー群とも,3次元表示の見やすさ,キャラクターに対して肯定的な評価が得られた。
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