2005 Fiscal Year Annual Research Report
統計的検定論を超える新しい決定論的アプローチの試み
Project/Area Number |
16650058
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤平 昌文 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70017424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (90246679)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90260471)
田中 秀和 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50302344)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (40375374)
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Keywords | 位置尺度母数 / 損失 / リスク / 共変性 / 回帰モデル / 補助統計量 / 枢軸量 / 信頼区間 |
Research Abstract |
統計的推測において,位置尺度母数分布モデルは基本的であり,決定論的観点から適当な損失関数の下でリスクを最小にする推測方式を求める問題は重要である.いくつかの損失関数の下での最小のリスクをもつ共変(minimum risk equivariant,略してMRE)推定量はすでに得られていて,そこでは補助統計量に基づく条件付分布が重要な役割を果たし,特に2乗損失の下でのMRE推定量を求めることができる.一方,実験などにおいては,時間に比例して観測されるデータを扱うことがある.このような場合,線形回帰モデルが有用であり,これは位置尺度母数分布族と類似したモデルと捉えられる.本研究では,従来あまり論じられてこなかったこの回帰モデルにおいて2乗損失の下での位置および尺度共変推定について考えた上で区間推定への応用を行った.実際,まずこのような時間を伴う回帰モデルにおいて位置および尺度に関する共変性の定義を与え,補助統計量を巧みに利用してMRE推定量を構成した.そしてその具体的な例として正規分布,一様分布の場合を挙げた.いずれの場合もMRE推定量はPitman型になるがその係数は時間に依存する.次に,十分統計量が存在しない場合には,全標本Xが補助統計量A=A(X)と統計量T=T(X)の組に1対1対応すれば,Aを与えたときのTの条件付分布を与えることによって,統計量Tの情報量損失を完全に回復できることが知られている.本研究では,その条件付分布を用いて共変推定量に基づいた条件付信頼区間を構成した.さらにこの信頼区間の数値計算結果,区間幅がかなり狭くなることが確かめられた.
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Research Products
(6 results)