2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650082
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
片岡 正和 信州大学, 工学部, 助教授 (90332676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授 (10318826)
|
Keywords | 可溶性タンパク質 / Complexin II / 相互作用 / シナプス部位 / ペプチド / Yeast Two Hyrid法 / 病因遺伝子 / 前シナプス性疾患 |
Research Abstract |
前シナプス部位に存在する可溶性タンパク質、Complexin II(CPX II)の前シナプス部位特異的局在機構解明のため、エピトープタグを付与したCPX IIをラット海馬神経初代培養細胞に導入し、その局在を観察した。局在の偏りを明らかにするため、共焦点レーザー顕微鏡で定量解析用画像を取得した。取得した画像を、画像解析ソフトを応用した粒子解析手順を開発して解析し、CPX IIの神経軸策に偏った局在を明らかにした。さらに欠失変異をCPX IIに導入し、軸策に特異的に局在するために必要な領域の限定を行った。 限定した領域に対して相互作用を示すタンパク質を取得し、そのCPXIIのシナプス前部局在への関与を明らかにする事を試みた。決定した領域のペプチドを作製、あるいは当該領域をGSTとの融合タンパク質とし、ラットのシナプス部位を多く含む脳由来の画分と相互作用させ、候補タンパク質の分離を試みたところ、約20K Daのタンパク質の他、4種類以上のタンパク質がこの領域と相互作用することが判明し、現在TOF-MS法によって解析を進めており、数種の候補タンパク質が得られている。 また、生体に存在するタンパク質を直接分離する手法では候補分子の分離に限界があるため、Yeast Two Hyrid法を利用した相互作用分子の分離を同時に進めた。この遺伝学的手法により、180の独立クローンが得られ、FK506結合タンパク質や細胞内小器官内移動分子であるSynaptotagmin IVを同定した。さらに数種の神経疾患に関連する病因遺伝子が得られ、それらとのタンパク質レベルでの結合を確認した。研究が完結したとは言い難い状況ではあるが、前シナプス性の病因遺伝子が得られるなど、今後の研究進展に大きく貢献する結果が多く得られた。なお、一部の成果は18年度の国際生化学・分子生物学会議(京都)で発表予定である。
|