2004 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoナノ蛋白質工学による神経伝達物質受容体活性化の可視化解析
Project/Area Number |
16650083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 泰生 京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜地 格 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (90202259)
原 雄二 京都大学, 工学研究科, 助手 (60362456)
宇山 浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70203594)
清中 茂樹 京都大学, 工学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
下野 健 アルファメッドサイエンス(株), 主任研究員
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Keywords | 光アフィニティーラベル化 / バイオセンサー / プロテオミクス / アセチルコリン受容体 / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
今年度はin vivoナノ蛋白質工学(光アフィニティーラベル化後修飾法)を行うためのアフィニティーラベル化剤の分子設計、及びin vitroでの光アフィニティーラベル化後修飾法を中心に研究を進めた。 アフィニティーラベル化剤については、神経伝達物質受容体であるムスカリン性アセチルコリン受容体を可視化するためにそのアゴニストを基にした化合物を分子設計・有機合成した。 in vitroの実験としては、受容体を過剰発現させた細胞(CHO K-1,HEK293)から回収してきた細胞膜画分を用いた。その細胞膜画分に光アフィニティーラベル化剤を加えてUV光を照射することで光ラベル化を行った。続いてビオチン型修飾剤と反応させることで、受容体に選択的なビオチン修飾を施した。ウェスタンブロッティング法によって反応の確認を行い、アセチルコリン受容体に光ラベル化及びビオチン化反応が進行していることを確認できた。この結果は、センサー化に向けたin vitroでの実験成功を意味する。 ここで得られた結果は、あらゆるリガンドー受容体蛋白質の組み合わせに適用可能であるので、センサー化という目的だけでなく、リガンド及び受容体の新しい同定法になりえると考えられた。そこで、新規の免疫抑制剤としてスクリーニングされた化合物の作用蛋白質を同定するためにこの手法を応用した。その際には、この免疫抑制剤の一部に光反応基及びビオチン修飾基を導入したラベル化剤を設計して有機合成した。作用部位の候補として考えられる蛋白質を過剰発現させた細胞にこのラベル化剤を加えて上記と同様にラベル化反応およびビオチン修飾を行った。ウェスタンブロッティングの結果から、この免疫抑制剤の作用蛋白質の同定に成功した。この結果から、薬物の作用部位を簡便に同定する新しい方法論としての有効性が確認できた。
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