2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650090
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 裕美 奈良県立医科大学, 医学部, 教務職員 (50281275)
中川 正 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20372857)
中山 晋介 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30192230)
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00142381)
|
Keywords | 胚性幹細胞 / 腸管 / ペースメーカー細胞 / 壁内神経細胞 / 蠕動運動 / 発生分化 |
Research Abstract |
胚性幹細胞から特定の分化誘導因子を作用させることなくhanging drop法によって培養するとLIFを除いただけで、一定の確率で蠕動様運動を発生する腸管様細胞塊を分化誘導することが出来た(Stem cell,2002)。この細胞塊には壁内神経系は形成されず、神経細胞が少し散在するのみであった。しかし、特定の分化誘導因子(特許発願手続中)を作用させると一定の確率で出来た腸管様細胞塊において、複数の神経節から構成される壁内神経系を分化誘導させることに成功した。これらは、抗PGP9.5抗体や抗ニューロフィラメント抗体で免疫染色をすると綺麗に染まった。これらの神経を20Hzのトレイン刺激を用いて焦点電気刺激法により刺激すると、神経細胞内のカルシウム濃度上昇反応を示した。さらに、1ヶ所を刺激しただけで複数の神経節細胞のカルシウム濃度上昇反応が起こり、神経節とそれをつなぐ神経線維からなる壁内神経系のネットワークの形成が確認された。これらの成果はこのようにして出来た壁内神経系のネットワークが生理的に機能しうることを示している。つぎに、このような神経細胞が分化誘導された細胞塊でペースメーカー細胞であるカハールの間質細胞(ICC)も分化誘導出来ているかどうか抗c-Kit抗体で免疫染色した。その結果、神経だけでなく、ICCも分化誘導することが出来た事がわかった。このような腸管様細胞塊の運動を観察すると、袋状の構造という限界はあるものの、まさに高度にコーディネートされた蠕動運動が発生した。このような運動の発生には壁内神経系とICCの両方が必要である。
|
Research Products
(2 results)