2005 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学的手法を用いたヒト免疫系を構築したマウスの開発
Project/Area Number |
16650096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠治 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (50282455)
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Keywords | 免疫不全マウス / 造血幹細胞 / Rag-2 / Jak-3 / NOD / Scidマウス |
Research Abstract |
本研究では、ヒトの免疫相互作用を解析するためにヒトの免疫系を構築したマウスを作製する。そのために、ヒトの細胞移植が可能な新たな免疫不全マウスを作製し、臍帯血由来の造血幹細胞を移植することによりヒトの造血系・免疫系を構築したマウスを作製することを目的とする。特に、従来の方法では困難であったT細胞が構築可能なマウスを作製する事に重点を置いて研究を行い、本年度は以下の結果を得た。 1)NOD/Scidマウスをベースにしたヒトの造血系と免疫系の構築 放射線照射したNOD/Scid/Jak-3欠損マウスにヒトの造血幹細胞分画(臍帯血由来)を移植したところ、主にB細胞と骨髄系細胞が分化し、12週以上の長期観察によりT細胞が分化してくることを確認した。出現したT細胞はナイーブT細胞から記憶T細胞までの分化段階のものが含まれていた。また、本マウスにはHIV-1の感染が可能であった。 2)トランスジェニックマウスの交配による新たな免疫不全マウスの開発 マウスのリンパ球とNK活性を消失させることにより、マウスにヒトの組織を効率よく定着させることが可能になる。Rag-2欠損マウスとJak-3欠損マウスを交配してRag-2/Jak-3欠損マウス(C57BL6バック)を作成し、ヒト臍帯血由来の造血幹細胞を移植したがヒト免疫系の構築はNOD/Scidマウスと比べて悪かった。また、LckプロモーターによるヒトDLL-1トランスジェニックマウスを作製した。
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