2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650097
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
筒井 正人 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70309962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 康秀 産業医科大学, 医学部, 教授 (20038780)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / マウス / 遺伝子 / 一酸化窒素 / ノックアウト / 遺伝子改変 |
Research Abstract |
【目的】一酸化窒素(NO)は、生体の恒常性の維持に重要な役割を果たしている。NO合成酵素(NOS)には、内皮型(eNOS)・誘導型(iNOS)・神経型(nNOS)の3種類の異なったアイソフォームが存在する。現在までに、各NOSアイソフォームが単独に欠損したシングルNOSノックアウト(KO)マウス、及び複合して欠損したダブルNOS-KOマウスが作製され、NO研究において広く使用されている。しかし、3種類のNOSアイソフォームがすべて欠失したNOS完全欠損マウス(トリプルNOS-KOマウス)の樹立は報告されていない。本研究では、このトリプルNOS-KOマウスを、世界に先駆けて開発することを目的とする。 【方法】nNOS-KOマウス、iNOS-KOマウス、eNOS-KOマウスの交配により、トリプルNOS-KOマウスの作製を試みた。マウスの遺伝子型は、尻尾から抽出したGenomic DNAを用いたRT-PCRで確認した。 【結果】我々は、3年前より、トリプルNOS-KOマウスの開発に着手した。最初に、各シングルNOS-KOマウスを交互に掛け合わせて、3種類のダブルNOS-KO (nNOS/iNOS-KO、iNOS/eNOS-KO、nNOS/eNOS-KO)マウスを誕生させた。次に、これらをさらに交互に掛け合わせて、トリプルNOS-KOマウス(nNOS/iNOS/eNOS-KOマウス)を作製した。また、トリプルNOS-KOマウスの雌雄のペアでの交配にも成功した。現在大量生産を施行中である。 【総括】トリプルNOS-KOマウスの作製に世界で初めて成功した。興味深いことに、生体内NOSシステムが完全に破綻してもこのマウスは普通に生存し発育していた。今後はこのマウスを駆使してNO研究を広く展開し、生体内NOSシステムの意義を包括的に解明して行きたい。
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Research Products
(1 results)