2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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Keywords | 抗酸化剤 / ポリフェノール / タンパク質複合体 / バイオハイブリッド / ナノ微粒子 / 多糖類 / インスリン複合体 |
Research Abstract |
抗酸化剤として知られている緑茶ポリフェノールと種々の蛋白質、例えばゼラチン、アルブミン、およびインスリンとの相互作用を検討した。比較のため多糖類のデキストランとヒアルロン酸との相互作用も検討した。市販の緑茶ポリフェノール(8種類のカテキン含有)から分集用液体クロマトグラフィーを用いて高純度のエピガロカテキンガレート(EGCG)を得る目的で精製したところ98%のEGCGがえられた。先ず、この高純度EGCGのゼラチンハイドロゲルへの吸着と脱着性を検討した。EGCGはゼラチン分子に時間とともに吸着され、48時間で飽和に達した。また、時間とともに緩やかに脱着するが、両現象ともPHの影響が大きく、吸着は酸性下で起こりやすく、逆に脱着は塩基性下で起こりやすいことが解った。一方、多糖類のデキストランとヒアルロン酸には殆ど吸着されなかった。次に、アルブミンとEGCGとの相互作用を調べたところ、EGCGとアルブミンとも親和性が高く、酸性下で容易に複合体を形成し、ナノサイズ(100〜400nm)の複合体が得られ、また、その複合体は約1週間の徐放性を示した。さらに、EGCGとインスリンとの系においてもナノサイズのバイオハイブリッド化にも利用でき、EGCG/インスリン複合体はin vitroで約1週間の徐放性を示した。そして、in vivo実験により糖尿病ラットの血糖値を約1週間正常なレベルに保つことが可能であった。
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