2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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Keywords | ポリフェノール / 蛋白質ナノ複合体 / エピガロカテキンガレート(EGCG) / コンプレックス形成剤 / ゼラチン / アルブミン / インスリンナノ複合体 / 生理活性タンパク質の不溶化と徐放化 |
Research Abstract |
生理活性タンパク質に対して緑茶ポリフェノールをコンプレックス形成剤として用いることにより、それらの生体内安定性を付与するだけでなく、徐放化能を向上できる新規な蛋白質ナノ微粒子複合体を開発することを目的とした。 市販の緑茶ポリフェノール(8種類のカテキン含有)から分集用液体クロマトグラフィーを用いて高純度のエピガロカテキンガレート(EGCG)を得る目的で精製したところ98%のEGCGがえられた。 蛋白質として、ゼラチンやアルブミンをモデル物質とした。また、医薬品としてインスリンのナノ複合体を作成した。 1.ポリフェノールはゼラチンやアルブミンと高い親和性を有し、酸性下で吸着が促進されることが示された。 2.ポリフェノールとアルブミンは酸性下で容易に複合体を形成し、濃度を制御することで100〜400nmサイズの複合体が得られた。また、その複合体は約1週間の徐放性を示した。 3.ポリフェノールはインスリンのバイオハイブリッド化にも利用でき、ポリフェノール/インスリン複合体もin vitroで約1週間の徐放性を示した。また、in vivo実験により糖尿病ラットの血糖値を約1週間正常なレベルに保つことが可能であった。 生理活性タンパク質の不溶化と徐放化のため、緑茶ポリフェノールのEGCGを添加することにより新規な蛋白質ナノ微粒子複合体を開発できた。また、それらの複合体サイズを数10〜1000nmのナノレベルで任意に変えることが可能になった。今後この新しい知見を基に、サイトカインなどの生理活性タンパク質のコンプレックス形成を可能にし、新しいDDSへの適用により学問的のみならず、臨床的にも大きな貢献が期待できる。
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Research Products
(4 results)