2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロディスク:円形チップで遺伝子発現計測システムを革新する
Project/Area Number |
16650109
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 忠男 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
菅 幹生 千葉大学, 工学部, 助教授 (00294281)
佐藤 哲大 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90362839)
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Keywords | DNAマイクロアレー / ディスク / 遺伝子発現計測 |
Research Abstract |
DNAマイクロアレーは遺伝子発現解析の基本的計測装置として広く利用されているが、測定の手間や結果の信頼性、あるいは機器の大きさや価格など、臨床的に常用する検査機器とするために解決が必要な問題点が多い。この研究では、従来の矩形スライドガラスのかわりに、円盤状の「DNAマイクロディスク」を用いることによって、スポッティング、ハイブリタイゼーションから蛍光観測に至るすべての過程を、高速、安定かつ安価にできる可能性のある一貫システムを提案することを目的とする。 平成16年度は、個別要素の検討と予備的な実験を実施した。 ディスクの仕様に関しては、最終的なDNAマイクロディスクとして直径2インチの基板に幅5ミクロンのプリグルーブを設け長さ20ミクロンのスポットを80万個程度配置するものを想定したが、予備的には矩形ガラス基板上に20-50ミクロン間隔で直線状の溝を切ったものを作製して実験に用いた。 スポッター方式、すなわち、ディスク上にDNA断片のプローブを貼り付ける手段として、インクジェット、金属針、ガラスマイクロピペットなどを比較検討した。結局、予備実験にはマイクロピペット型のスポティング装置を試作して、上述の溝を切ったガラス基板上に直径20ミクロンのスポットを作製できることを確認した。 読み取り装置については、ディスク上の蛍光スポットを検出追尾し、30秒以下で全データを読みとるための光学系とサーボ機構を想定し、CDドライブの技術を適用して概念設計まで実施した。 手間と時間の点で全体の律速要素となるハイブリタイゼーションの高速化については、フローセルの実験系を組み、ターゲットの濃度や流量を変化させて、最適なハイブリタイズ反応を実現するパラメータを実験的に検討した。なお、全体を組み合わせた予備実験は次年度の課題である。
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Research Products
(2 results)