2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分割電極によるインピーダンスCT開発に関する研究
Project/Area Number |
16650111
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森本 忠興 徳島大学, 医学部, 教授 (10112244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 陽介 徳島大学, 工学部, 教授 (80035807)
葉久 真理 徳島大学, 医学部, 助教授 (50236444)
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Keywords | インピーダンスCT / Electrical Impedance Tomography(EIT) / 分割電極 / 生体計測 / 空間分解能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非侵襲的に計測された生体の電気インピーダンスから組織内電気特性分布を求め、この分布に基づき組織断層影像を画像化するインピーダンスCT(Electrical Impedance Tomography,EIT)装置の開発である。本EITでは、組織内の電気特性の差を画像化するために、従来の超音波検査、X線CT、MRI等のような密度情報とは異質な医療情報を提供するものである。本装置は、従来の画像化手法で得られなかった画期的な医療診断情報を提供するものと考えられ、腫瘍診断等に大きなインパクトを与えられるものと期待される。 我々のEIT開発の特徴は、独創的な分割電極にある。すなわち、体表面に取りつける電流印可電極および電圧測定電極を共に多重に分割し、電極を切り替えること無く、同時に計測するため、電極直下の組織のインピーダンスを高い空間分解能で計測できる。また分割電極周辺にガード電極を配置し、電流電極からの電流の拡散を押さえることができ、電極直下の2次元インピーダンス情報を計測することが可能である。本方式では、測定空間範囲が電極直下の局部組織に限られるが、空間分解能が高く、電極構造により1mm以下の分解能を得ることが可能であり、また測定時間も数10秒程度である。なお測定空間範囲は、電極の構造を変えることで原理的には大きくすることが可能である。また本方式では主として組織を等価な分布電気回路でモデル化し、その電気回路のパラメータを求める問題に帰着させている。このモデリングは生体の組織構造、生理的機能を反映し、組織診断上有益である。これは逆問題の一種となるが、その解法にニュートン法を基盤とした方式を開発し、かなり複雑なモデルでも短時間でパラメータ値を求めることができる。これらの事実は、コンピューターシュミレーションによる理論解析でその測定が可能であることを証明している。 新しい分割電極を製作し、2〜数次元等価回路のパラメータ推定、伝導率分布の推定を行っている。すでに組織を等価な分布電気回路でモデル化し、コンピューターシュミレーションよりその電気回路のパラメータを求める問題を帰着させている。その実験から得た測定値の画像化、さらにEITを開発する。現在、ファントム実験中であり、臨床実験を進め、新しい表在性臓器の診断法を開発したい。
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Research Products
(2 results)