2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波により大変形する遠隔制御微小自在変形体とその体内ロボティクス利用の基礎研究
Project/Area Number |
16650121
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 大揮 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60282860)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00126327)
|
Keywords | マイクロマシン / 医療ロボティクス / 形状記憶樹脂 / 超音波加熱 / マイクロバルーン / 気泡 |
Research Abstract |
体内マイクロロボティクスのアクチュエーション技術として,これまでのカテーテルでは入り込むことのできない体内の微小領域に,単独で入り込みそこで作業が可能な,遠隔制御微小自在変形体(アメーバロボット)を提案している.この微小自在変形体は,体外からの超音波により遠隔的に,アメーバのように大きく自在変形させることが可能であり,形状記憶樹脂膜,音波吸収体(樹脂),および超音波のキャビテーションを応用した気泡発生核からなる. 昨年度に引き続き,超音波による樹脂の加熱特性を明らかにするために,中空マイクロバルーンを混入した樹脂を加熱ターゲットとして加熱実験を行った.マイクロバルーン単体ではバルーンの変形は認められなかった.照射した超音波(2.4MHz)の波長(400μm)がバルーン直径(100μm)よりも大きいため,超音波によるバルーンに圧縮引張りが起こらず,バルーン内部のガスに仕事を行わず温度が上昇しないためである.一方,波長よりも大きな対象物(直径4mm:多数のバルーンを柔らかい塩ビ系樹脂により固めたもの)では,温度上昇とともに対象物が変形していくことを明らかにした.現在,波長を短く(50MHz:波長20μm)し,対象物が小さくても昇温,変形が起こることを実験により確認している.高周波で超音波発生が可能な小形発振器をニオブサンリチウムで試作し,30MHzまでは破損なく駆動することを確認した.気泡発生機構としては,表面こ凹凸を持たせたものを対象物にすると,この表面に予め微小な気泡(大気:数十μm)が付着しており,ここに超音波照射することで微小気泡が大きくなる(数百μm)ことを利用した機構を採用した.現在,試作した小形発振器,遠隔制御微小自在変形体(アメーバロボット:マイクロバルーンによる超音波吸収昇温機構と気泡発生核を形状記憶樹脂により包み込んだもの)の試作,評価を行っている.
|