2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による非侵襲的な遺伝子導入を可能とする造影ガス封入リポソームの開発
Project/Area Number |
16650126
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (90260934)
|
Keywords | 超音波 / リポソーム / 遺伝子導入 / siRNA |
Research Abstract |
超音波は、医療現場において超音波診断をはじめ体外衝撃破砕など様々な形で利用されている。パーフルオロプロパンを内封したバブルリポソームを新規に考案し、超音波を用いて遺伝子の非侵襲的な送達の基礎研究を行った。 基本構成脂質をDSPCとPEG2000脂質としREV法とEXTRUSION法でリポソームを調製した。10mlバイアル瓶にリポソーム溶液をいれ、ゴム栓とアルミシールで密栓した。ここにパーフルオロプロパンガスを注射針を通じて入れ加圧状態とした。これをBRANSON2510で超音波照射しバブルリポソームを調製した。 (1)In Vitro実験:種々の癌細胞3×10^4cells/wellに、ルシフェラーゼ発現プラスミド1μg及びバブルリポソーム(60μgリピッド)を添加して、1MHz、2.5W/cm^2の超音波をDUTY 50%、10秒間超音波照射した。その結果、COS7,Colon26結腸癌、B16BL6メラノーマ、S-180肉腫、Meth-A線維芽肉腫、Jurkat T細胞に対して5×10^4〜1×10^7RLU/mg proteinの遺伝子発現を確認した。ルシフェラーゼ遺伝子に対するsiRNAを、本方法で導入すると、ルシフェラーゼの発現が著しく低下した。 (2)In Vivo実験:ルシフェラーゼプラスミド50μgをマウスに尾静注し、肝臓または心臓の部分を、径7mmの超音波発振プローブを用いて、体外より1MHz、2.5W/cm^2の条件で1分間照射した。1〜2日後に、肝臓と心臓を取り出し、ルシフェラーゼの発現を調べたところ、超音波を照射した臓器にのみルシフェラーゼの発現を見ることが出来た。 本研究課題で開発された、バブルリポソームは、vitro、vivoを問わず、細胞への傷害性が少なく、超短時間で遺伝子導入が可能であり、siRNAも導入できた。今後、バブルリポソームの物性評価や大量調製法などを検討する必要があるが、国内には、有用なバブル製剤がなく、その供給を熱望されているので、早急に実用化を目指す必要がある。
|
Research Products
(1 results)