2004 Fiscal Year Annual Research Report
器質的脳障害後の「注意」障害に関する行動評価尺度の開発
Project/Area Number |
16650137
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
豊倉 穣 東海大学, 医学部, 助教授 (20217566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 祐司 東海大学, 医学部, 助手 (80266444)
笠原 隆 東海大学, 医学部, 助手 (00366014)
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Keywords | 脳損傷 / 高次脳機能障害 / 注意障害 / リハビリテーション / 行動観察 / 評価尺度 / 再現性 / 妥当性 |
Research Abstract |
臨床で幅広く使用可能な「注意」障害の行動評価尺度(Behavioral assessment for attentional deficit, BAAD)を考案し、その妥当性を検討した。具体的な成果、知見は以下の通りである。 1、12の評価項目からなるBAADを考案した。各項目は「すぐ注意が他にそれてしまう、活気がなくぼーとしている、開始に促しが必要である」など「注意」障害に関連する問題行動を列挙したものである。BAADはリハビリテーション訓練中の行動観察(1週間)から、先の問題行動の出現頻度(0〜3点、0:全く見られない、1:1/2以下の機会でみられる、2:1/2以上の機会でみられるが毎回ではない、3:毎回観察される)を採点する。合計点を求めるが36点が最重症となる。 2、記述統計的に妥当性を検討した。器質的脳障害を有する123症例を対象として分析した。年齢は21〜86(平均62)歳,発症から検査までは4日から7年(中央値75日)であった。評価、採点の結果,点数は0〜30点に分布した。23名が0点(すなわち注意に問題無し)となった。評価点の検者間(PTとOT)および検者内(日を変えて再検)の相関係数はそれぞれ0.83(p=0.0001),0.97(p=0.0001)と良好であった。また,BAAD評価点は他の「注意」検査(PASAT, Trail Making Test-AおよびBなど)とも有意の相関を示した。 3、因子分析による評価12項目の内的特性を検討した。上記のデータを主因子法によって多変量解析した。その結果,主要3因子が抽出され,「覚醒・意欲」,「持続・選択的注意」,「その他(疲労・睡眠)」に関連すると思われた。BAADは主に比較的低次の「注意」機能を反映していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)