2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の動作特性を有する生活支援用ロボットの動作評価に関する研究
Project/Area Number |
16650138
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
依田 光正 日本大学, 理工学部, 助教授 (70366558)
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Keywords | 高齢者 / 若年者 / 動作特性 / 動作評価 / ロボットアーム / マニピュレータ |
Research Abstract |
本年度は,ロボットアームの動作評価に必要となる評価パラメータの検討をおこなう方針に基づいて,パラメータ検討に必要となる人間の腕の動作特性を明らかにした.対象動作としては,ロボットと人間の動作におけるインタラクションを考慮して,机上における物体の受け渡し動作を設定している.この動作で,腕の動作における領域特性を明らかにする実験と腕の動作特性を明らかにする実験をおこなった.一般的な人間の作業領域は,最大作業域と通常作業域に分けられる.机上での人間同士の物体受け渡し動作においては,最大作業域内で共同作業をおこなうことが自然であるため,向かい合った人間の最大作業域が重なる領域にx軸方向480[mm],y軸方向240[mm]の領域を取り,これを本実験における作業領域とした.作業領域のx軸方向およびy軸方向をそれぞれ80[mm]間隔に分割し,この28個所を物体が置かれる位置とした.領域特性の実験ではこの領域内で右腕と左腕を使用する境界を明らかにする.動作特性の実験では,作業領域内で人間同士が物体の受け渡しをおこなう際の動作速度を計測して,その特性を明らかにする.さらに,両実験とも高齢者と若年者の動作の差異について比較検討することを目的とした.動作における領域特性の実験から,高齢者と若年者の右腕と左腕の動作領域の境界を明らかにすると共に,高齢者が若年者よりも利き腕である右腕を使用する領域が広くなっていることも明らかにした.動作特性の実験から,高齢者と若年者の肘関節角速度,肩関節角速度および体幹移動速度特性を近似曲線によって表した.物体を受け渡しする動作において,高齢者は若年者に比べて肘関節と肩関節が大きく動作しており,若年者は高齢者に比べて体幹の前後移動が大きい傾向が見られることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)