2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650157
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寒川 恒夫 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70179373)
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Keywords | 武術 / 精神文化 / アジア |
Research Abstract |
3年度計画の初年度に当たる本年度は、中国、韓国、台湾における武術の精神文化研究に当てられた。韓国については近年、政府による武術諸団体の全国実態調査が実施され、調査項目に精神文化と関わる情報が含まれることが知られる。そうした精神文化の形成については日本からの影響と独自な創案とが想定され、今後の分析課題とされる。中国については、従来十分には扱われなかった「侠」…の概念から武術の精神文化にアプローチする可能性が示された。台湾については、日本占領下に移植された武徳会の影響が注目された。また、先行的にインドネシアの武術調査が実施された。インドネシアの武術については1922年発行のドイツ人民族学者HansDammによる古典的著作Die gymnastischen Spile der Indonesier und Sudseevoelker、1Teil : Die Zweikampfspiele,Leipzigとアメリカ人武術研究家のDann, F.Draegerの手になるWeapons and fighting arts of the Indonesian Archipelago, Tokyo,1972.とが比較的まとまった形で扱っているが、1980年代からインドネシア政府が断続的に刊行したインドネシア全域をカバーする地域別民族スポーツ報告書も参考にされる。こうした文献資料以外に、インドネシアに最も広くおこなわれるプンチャック・シラットについて、そのジャカルタ本部、およびバンドン支部において聞き取り調査がおこなわれた。なお、バンドンにおいては伝統相撲であるベンジャンそれに近年諸種の素手格闘技を総合して創案されたタルング・ドウラジャットについても調査がなされた。
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