2004 Fiscal Year Annual Research Report
受動的ヴァイオリン曲音楽聴取による楽音P.S.D.と心身の健康に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16650167
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
坂本 真理 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (20235188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和興 聖徳大学, 人文学部, 教授 (60320701)
江原 史朗 宇部工業高等専門学校, 制御情報工学科, 助手 (20370025)
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Keywords | 受動的ヴァイオリン曲音楽 / 楽音P.S.D. / 急性および長期音楽聴取 / 心身の健康 / 気分状態の改善 / 生体リズム / 生活リズム / 生活習慣の改善 |
Research Abstract |
対象音楽としてヴァイオリン(Vn)演奏家により、「しっとり」とした情感を与える楽曲4曲を選曲し編集したしっとり系Vn曲音楽および「楽しい」情感を与える楽曲7曲を選曲し編集した「楽しい系」弦楽器曲音楽を用いた。これらの2系統の楽曲を6分割した5分区間の楽音に対して、FFT周波数解析によるゼロクロス法で作成した音高及び音圧実効値のゆらぎ計算プログラムにより算出した周波数の対数に対する音高及び音圧実効値の各々のP.S.D.とその回帰直線の傾き、y切片、相関係数を求め楽音ゆらぎの6指標を得た。これら2系統の音楽の5分区間のゆらぎ6指標データに判別関数分析を適用した結果、これらの2系統の音楽は音響物理学的に有意に判別でき、統計的に有意に異なる系統の音楽であることが分かった。 さらにこれら2系統の音楽を30分聴取させる急性音楽聴取実験(被験者15名、対照者6名)を実施結果、しっとり系Vn曲音楽聴取により副交感神経活動度指標HFの増加傾向及び受動的・消極的感情表現語群の有意な集中、楽しい系弦楽器曲音楽聴取により交感神経活動度指標LF/HFの有意な増加、副交感神経活動度指標HFの有意な減少及び能動的・積極的感情表現語群の有意な集中がみられ、これら2系統の音楽が生理学的にも心理学的にも正反対の作用を持ち、しっとり系Vn曲音楽は強い受動性を持つ受動的音楽と判定された。さらに、しっとり系音楽聴取により有意な赤血球の大球性変化及び血中Sero濃度の有意な上昇を、楽しい系弦楽器曲音楽聴取により有意に正反対の変化がみられた。また、これら2系統の音楽聴取により共通して血中NAdr濃度の有意な低下、指尖皮膚温の有意な上昇を示した。 一方、しっとり系音楽の長期聴取実験(被験者15名、対照者6名)の実施結果、気分状態の改善及び摂取栄養面での改善がみられ楽音ゆらぎによる生体リズムの改善が生活リズムを調節し、食習慣の改善の可能性がが示唆された。
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Research Products
(1 results)