2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16650178
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University Junior College |
Principal Investigator |
平田 陽子 京都光華女子大学短期大学部, 生活環境学科, 教授 (10231549)
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Keywords | スヌーズレン / 空間づくり / 知的障害者 / リラックス / 感覚刺激 / 物理的環境 |
Research Abstract |
知的障害者・児は、自己の意思の表現方法が極めて限られているため、主観的な意思表示をすることが困難である。それらを補うものとしてのスヌーズレン空間は、きわめて緩やかな刺激をあたえ、本人が気持ち良く感しる感覚を楽しむ空間である。この空間について、次のような研究と調査をおこない成果を得た。 1.スヌーズレンに関する文献を収集し、また、何人かの先駆的研究者の研究から、これまでの研究成果を整理し、これまでの到達点や研究課題について把握した。 2.スヌーズレンを設けている全国の施設のリストづくりなど、基本的な情報整理をおこなった。 3.いくつかの施設をまわって現地調査をおこない、器具の配置や使われている状況、使った方の反応について尋ねる調査をおこなった。その結果、(1)スヌーズレン空間を施設の中に専用空間として設けている施設の他に、病室や廊下などに器具を持ち込んで一時的スヌーズレン空間として、利用している事例があることがわかった。(2)スヌーズレン空間は、利用者にとってプラスの効果を生みだしていることが明らかになった。利用者自身がリラックスできる、落ち着ける、また日頃不眠傾向にある利用者がスヌーズレン空間では、ぐっすり眠れるという事例も聞かれた。(3)スヌーズレンの効果は利用者の他に、職員にも影響し、職員自身もリラックスできる、また利用者との関係の安定化が図れることか分かった。(4)利用者一人一人の感覚に対する反応が異なるため、ある利用者には好まれる器具であっても、他の利用者は嫌うなど、個々の嗜好にあった環境設定をしていくことの重要性について指摘ができる。 4.資料収集として、日本スヌーズレン協会の主催するワークショップと施設見学に参加し、知的障害者のスヌーズレン空間利用に関する資料、および地域での取り組みに関する資料を収集した。また、日本福祉文化学会中国支部大会にも参加し、環境療法に関する資料を収集した。
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