2004 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の自然科学教育の原点を東奥義塾の教育実践に探る萌芽的研究
Project/Area Number |
16650191
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山下 美樹 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30302011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 孝夫 弘前大学, 教育学部, 教授 (70211779)
池田 幸夫 山口大学, 教育学部, 教授 (90253129)
神山 貴弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00263658)
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Keywords | 地方教育 / 教育実践 / 明治期 / お雇い外人教師 / 実学教育 / 東奥義塾 |
Research Abstract |
平成16年度は、平成17年度に取り組む「東奥義塾における教育の実態」を探る為の基本的資料の発掘、並びにその収集に力点が置かれた。収集した資料は、以下の5項目に大別される。 1.東奥義塾図書館所蔵の洋書、和書。また、東奥義塾の影響を受けた弘前第二小学(現和徳小学校)等の蔵書、並びに機器(含む教材)。さらには、明示初期に使用された教科書類の発掘。 2.東奥義塾草創期に招聘された外人教師、特にジョン・イング(JHON ING)の教育実践に関わる諸資料。 3.東奥義塾の教育実践に関して、その斬新さを示す間接的証拠となる弘前第二小学(現和徳小学校)の校務日誌をはじめとした成績関係等を含む諸資料の発掘。 4.東奥義塾に在職した教師、並びに卒業生の動向等に関する資料。及び同窓会資料。 5.その他資料。 平成17年度は、上記資料を基に東奥義塾における教育の実態、特に、福沢諭吉の流れを汲む科学的・実学的精神の涵養が、東奥の地においてどのような紆余曲折を経て自由民権運動をはじめとした特色ある活動を引き起こしたかを明らかにする。なお、本研究成果は、下記8項目で構成される図書として広く公に資する予定である。 1.福沢諭吉がめざした日本の近代化-窮理に託した福沢の願い- 2.藩校「稽古館」から東奥義塾へ-全国にあった文化の原点- 3.東奥義塾での革新的な動き-自然科学の授業はかくあるべし- 4.天覧授業(授業再現)-明治天皇を仰天させた5人の塾生- 5.東奥義塾生海を渡る(留学の記)-私費による留学- 6.文学社会(総合学習の精神ここにあり)-これぞ福沢のめざした近代の精神- 7.自由民権運動への流れ(東奥義塾党)-東奥義塾の光と陰- 8.東奥義塾が果たした役割-地方には地方の意地があり、それが革新的な教育を生む-
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