2005 Fiscal Year Annual Research Report
PDAにおける手書き数式入力対応数式処理システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16650212
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
藤本 光史 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (20270241)
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Keywords | PDA / 手書き数式インターフェース / 数式処理 / 教育工学 / 数学教育 |
Research Abstract |
昨年度は、PC用数式エディタInftyEditorの手書き数式インターフェースをLinux搭載PDAのZaurusに移植し、さらにオープンソースの数式処理ソフトRisa/Asirとの通信機能を実装することで、PDA用の手書き数式入力に対応した数式処理システムAsirPadを開発した。本年度は、このAsirPadに対して、次の2点の改良を行った。 1.数式エンジンとの通信部の改良 現在のAsirPadは、起動時に計算サーバーであるAsirを呼び出して通信を確立するのであるが、この通信確立に失敗することが非常に多かった。この原因を調査したところ、PDAの処理速度の低さが主な原因であることが判明した。そこで、クライアント(AsirPad)とサーバー(Asir)の負担を折半させるために、通信の確立方法を変更し、サーバー側からAsirPadに接続させるようにした。これによって、起動時の通信確立の失敗を無くすことができた。 2.グラフ描画機能の実装 数学の学習において、関数のグラフを描く作業は非常に重要な学習活動である。そこでAsirPadにもグラフ描画機能を追加した。グラフ描画機能の仕様については、既存のPC用のグラフ描画ソフトのインターフェースを調査した上で、ペンベースインターフェースであることを考慮して、(1)パラメータ付きの陽関数の描画、(2)複数の関数グラフを同じダイアログ内に表示、(3)グラフの拡大・縮小、を実装した。結果的に、すべての操作をペンだけで行えるようにできた。また、グラフ描画用の計算エンジンは、Asirだけでなく、UNIXアプリケーションとして定評のあるgnuplotとの通信もできるように工夫した。 以上の成果は、数式処理の応用に関する2つの国際会議ACA2005(奈良)・ASCM2005(韓国)において発表を行った。
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