2004 Fiscal Year Annual Research Report
IRTモデルのMCMCによるパラメータ推定用ソフトウェアの開発とその応用
Project/Area Number |
16650218
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 喜一 宮城工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (00300517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 英治 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授 (50344643)
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Keywords | 項目応答理論 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 2-パラメータ・ロジスティック・モデル / 標準誤差 / 誤差伝播 |
Research Abstract |
本研究の目的は,項目応答理論(item response theory, IRT)モデルのパラメータをマルコフ連鎖モンテカルロ(Markov chain Monte Carlo, MCMC)法により推定可能なプログラムを作成し,応用研究することである. MCMC法の実現には,Metropolis法・Metropolis-Hastings法・Gibbs sampling法など,いくつかのアルゴリズムが存在する.本研究では,IRTモデルへの適用のしやすさを考慮し,Metropolis-Hastings with in Gibbsアルゴリズムを利用することにした.そして,IRTの基本的なモデルである2-パラメータ・ロジスティック・モデルの項目パラメータと能力パラメータを同時推定可能なプログラムを作成した. IRTによる典型的なテストデータの分析では,1.テストデータから項目パラメータを推定する,2.得られた項目パラメータを真値扱いして能力パラメータを推定する,という二段階の手続きが取られる.この方法では,能力パラメータを推定するとき項目パラメータの標準誤差を無視するので,能力パラメータの標準誤差を過小評価してしまうと言われている.本研究では,その過小評価の程度を調べるため,項目パラメータと能力パラメータを同時推定したときと能力パラメータを二段階推定したときの能力パラメータの標準誤差の大きさをシミュレーション研究により比較した.MCMC法では,項目パラメータと能力パラメータを同時推定でき,両パラメータの標準誤差は相互に自動的に反映される.その結果,項目数が数十項目で被験者が数千人のとき,能力パラメータの標準誤差は同時推定するほうが二段階推定するより数パーセント大きいことがわかった.
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Research Products
(1 results)