2005 Fiscal Year Annual Research Report
IRTモデルのMCMCによるパラメータ推定用ソフトウェアの開発とその応用
Project/Area Number |
16650218
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 喜一 宮城工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (00300517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 英治 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授 (50344643)
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Keywords | 項目反応理論 / Raschモデル / 標準誤差 / 誤差伝播 / デルタ法 / 多次元項目反応理論 / 補償型モデル / 非補償型モデル |
Research Abstract |
平成16年度の研究の流れを受け継ぎ,平成17年度は以下の2点に関する研究を実施した. 1.Raschモデルは,もっとも単純な項目反応モデルの一つである.Raschモデルは,実際に医学系のコンピュータ適応型テスト(computer adaptive testing, CAT)などに利用されている.本研究では,Raschモデルの能力パラメータを最尤推定するとき,項目困難度パラメータの標準誤差が能力パラメータにどのように誤差伝播するかをデルタ法により定式化した.定式化の結果,項目パラメータの標準誤差は,能力パラメータの標準誤差の誤差として伝播することがわかった.いくつかの例をシミュレーション実験により示した.能力パラメータの標準誤差の誤差に関して,CATはペーパー&ペンシルテストより優れている可能性があることも示唆された. 2.現実のテストでは,項目に正答するのに複数の能力が関与していると考えられる場合が少なくない.これら複数の能力を取り扱う一つの枠組みに,多次元項目反応理論(multidimensional item response theory, MIRT)がある.MIRTモデルは,能力間に補償の関係を仮定するかしないかにより,補償型モデルと非補償型モデルとに分類される。補償型モデルでは,ある能力が低くても他の能力が高ければ項目に高い確率で正答できる場合を取り扱うことができる.非補償型モデルでは,測定しているすべての能力が高くなければ高い確率で正答できない場合を取り扱うことができる.本研究では,代表的な2値MIRTモデルを示し,確率論的な考え方を用いた新しい2値MIRTモデルの構築について考察した.
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