2006 Fiscal Year Annual Research Report
IRTモデルのMCMCによるパラメータ推定用ソフトウェアの開発とその応用
Project/Area Number |
16650218
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 喜一 宮城工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (00300517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 英治 東北大学, 大学院教育情報学研究部, 教授 (50344643)
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Keywords | マルコフ連鎖モンテカルロ法 / メトロポリス-ヘイスティングスアルゴリズム / 並列型のアルゴリズム / 適応的な提案分布 / 項目反応理論 / Raschモデル / ベイズ推定 / パラメータ推定 |
Research Abstract |
現在,マルコフ連鎖モンテカルロ法の中心的なアルゴリズムはメトロポリス-ヘイスティングスアルゴリズム(Metropolis-Hastings algorithm)である.今年度は,酔歩連鎖によるメトロポリス-ヘイスティングスアルゴリズム(random-walk Metropolis-Hastings algorithm, RWMHアルゴリズム)におけるスケールの調整を自動化するため,RWMHアルゴリズムの並列化についてまず研究した. まず,並列型の酔歩連鎖によるメトロポリス-ヘイスティングスアルゴリズム(parallel random-walk Metropolis-Hastings algorithm, P-RWMHアルゴリズム)を考案した.さらに,高次元の確率分布からもサンプリングできるようにP-RWMHアルゴリズムを拡張した。P-RWMHアルゴリズムでは,多数のマルコフ連鎖を並列に走らせることにより,提案分布を適応的に変化させながら提案分布のスケールを自動調整できるとともに,マルコフ連鎖の稼動検査期間を適応的に見積もることができる. つぎに,P-RWMHアルゴリズムによるサンプリングの性質を調べるため,P-RWMHアルゴリズムを2次元正規分布からのサンプリングに適用した.その結果,確率変数間に極端に強い相関がないかぎり,P-RWMHアルゴリズムはRWMHアルゴリズムとほぼ同じ精度でサンプリングできることがわかった. さらに,P-RWMHアルゴリズムを項目反応モデルのひとつであるRaschモデルの項目困難度母数の推定に適用し,妥当な推定値が得られるかどうかを調べた.その結果,P-RWMHアルゴリズムにより得られた推定値は数値的に妥当なものであり,RWMHアルゴリズムとほとんど同一の推定値が得られることが分かった. 今後,今年度に得られた成果をテスト学会等に発表していく予定である.
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