2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラント・オパールからの環境情報抽出に関する基礎研究
Project/Area Number |
16650225
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00253807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長友 由隆 宮崎大学, 農学部, 教授 (80040856)
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Keywords | 古環境 / プラント・オパール / 年代測定 / 稲作 / 栽培環境 / X線マイクロアナライザー / SEM / 施肥 |
Research Abstract |
本研究では、土壌中から特定のプラント・オパールを抽出し、そこに含まれる炭素や主成分以外の元素から、年代測定や栽培当時の環境(特に土壌環境)を推定する方法の確立を目指している。 本年度は、実施初年度であるため、本研究を推進するための基本的な手法の確立を行うとともに、環境の異なる土壌に含まれるプラント・オパールの間に含有元素の明瞭な違いが存在するかについて検討を行った。その結果、以下の成果が得られている。 1.プラント・オパールの抽出について プラント・オパール抽出の前処理法については、使い捨てのメッシュと蒸留水を用いた沈底法によって不要な粒子を除き、超音波をもちいてプラント・オパールに付着した粒子を洗浄した後に硝酸で処理することで良好な試料が得られることが分かった。 また、先端を80ミクロンに調整したマイクロマニュピレータとインジェクションシステムを組み合わせることにより土壌中の特定のプラント・オパールを効率よく抽出できる方法を確立することができた。 2.プラント・オパールの含有元素の測定について ランダムに抽出したプラント・オパール10個について、X線マイクロアナライザーを用いて測定することにより、ほぼバラツキなく含有元素を特定できることや測定時の諸条件(加速電圧、測定領域、測定部位)についても最適条件を特定することができた。 3.環境条件による含有元素の違いについて 環境が明らかに異なる地点の土壌やイネ科植物について、そこに含まれるプラント・オパールと植物珪酸体を抽出し、その含有元素を比較した結果、マンガン、アルミ、ニッケル、銅、カリウム、塩素など様々な元素の含有状況に違いがあることが明らかとなった。
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