2004 Fiscal Year Annual Research Report
地表面浸食速度の定量評価の為の石英中の放射性炭素を使った年代測定法開発
Project/Area Number |
16650227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10359648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩之 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (60313194)
松本 拓也 大阪大学, 理学部・宇宙地球科学科, 助手 (50294145)
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Keywords | 宇宙線照射生成核種 / 加速器質量分析器 / 年代測定 / 地形学 / 古気候 |
Research Abstract |
宇宙線照射生成核種のうち、地球の岩石中に生成される(in-situ宇宙線照射生成核種)は加速器質量分析計の地球科学への応用が進むにつれて開発されてきている。地球表層プロセスを定量的に見積もる方法として、発展が期待されている分野である。しかしin-situ宇宙線照射生成核種の照射履歴は、生成率の見積もりの誤差の大きさから、年代測定値としては例えば過去20,000年間のプロセスについても10%ほどの誤差が付随してしまう。さらに地球表層は常に侵食を受けている。それによって表層のin-situ宇宙線照射生成核種の蓄積量は少なめに見積もる傾向にある。現在定量分析法が確立されている^<10>Beや^<26>Alは、半減期がそれぞれ150万年と75万年という両者の組み合わせによって、蓄積量のずれから長期間の侵食速度の見積もりは行われるようになってきた。しかし、人類の活動とも密接に関連した過去20,000年間の氷期-間氷期の地球環境変動を定量化するためには、これらの核種は長い半減期のために、変動を検出する事ができない。これに対して、本研究にて開発方法の検討を行っているin-situ宇宙線照射生成^<14>Cはその半減期の短さからこれらの問題をクリアできる。しかし岩石中に生成される^<14>Cはとても微量であるのに加えて、大気中には高レベルの^<14>Cが存在しているため、大気のコンタミネーションを防ぐ事が必要である。本年度はまず、ガス精製用の高真空ラインの作成を行った。ラインの詳細は申請者自らデザインし、常に10^<-6>〜10^<-7>Torrの真空を保持したまま実験を行えるようにした。現在は石英からの抽出方法の検討を行うべく、米国ローレンスリバモア国立研究所に設置された高温炉を使った実験を計画中で、本年度に一度訪問して、具体的な実験計画を練った。また大阪大学の希ガス精製ラインを使った段階的加熱実験についても実験を計画しており、来年度はじめに、南極から採取されたサンプルについて実験を行う事にしている。
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Research Products
(4 results)